ブラック・アンド・デッカー

ブラック・アンド・デッカー（Black+Decker）は、アメリカ合衆国に拠点を置く、電動工具を主力とするメーカーです。オレンジ色と黒で統一されたデザインのコードレスドリルなどの製品で広く知られています。その歴史は、S・ダンカン・ブラックとアロンゾ・G・デッカーが1910年に設立した、ミルクボトルキャップ製造工場に端を発します。

革新的な製品開発



1916年、ブラック・アンド・デッカーは世界初のピストルグリップ型電動ドリルを発明しました。当時、機械加工は大型の固定機械で行うのが一般的でしたが、この革新的な製品は、電動工具の携帯性を実現し、その後の電動工具開発の基礎を築きました。1925年には、専用バスによる販売業者向けのデモツアーを開催し、アメリカのツールメーカーによるバンセールの先駆けとなりました。

歴史



  • - 1910年：S・ダンカン・ブラックとアロンゾ・G・デッカーによって設立。
  • - 1916年：世界初のピストルグリップ式ポータブル電動ドリルを開発し、トリガースイッチの特許を取得。
  • - 1936年：ニューヨーク証券取引所に上場。
  • - 1946年：世界初の家庭用電動ドリルを発売し、「Do-It-Yourself（DIY）」を合言葉に、アメリカの家庭に日曜大工を普及させる。
  • - 1957年：電動芝刈り機と植木バリカンを発売し、ガーデニング分野に進出。
  • - 1960年：同じ電動工具メーカーのデウォルトを買収。
  • - 1961年：世界初のニッカド電池を電源とした電動コードレスドリルを開発。
  • - 1971年：アポロ15号の月面着陸時に、ブラック・アンド・デッカーのNASA特注仕様のコードレスドリルが月からのサンプル回収に使用される。
  • - 1979年：コードレスハンディクリーナーを発売し、クリーニング分野に進出。
  • - 1994年：異種製品間での互換性を持ったバッテリーと充電器のセットを導入。
  • - 1996年：3in1のサンダーを開発。
  • - 1998年：バッテリー式の多機能工具（機能部分と駆動部分を組み合わせて使用できる）を多数開発。
  • - 2000年：ハンドソーを開発。
  • - 2002年：バッテリー式ポリッシャーを開発。
  • - 2010年：コードレスサイクロンハンディクリーナーを開発。
  • - 2010年：スタンレー・ハンド・ツールと合併し、スタンレー・ブラック＆デッカーとなる。
  • - 2014年：BLACK&DECKERからBLACK+DECKERにリブランド。ロゴも一新し、ボルトを図案化した六角形のマークを廃し、「＋」の記号と文字だけのデザインに変更。


日本での展開



日本国内では、本社の100%子会社であるポップリベット・ファスナー株式会社が、ブラック・アンド・デッカー製品の輸入・販売を行っています。

その他の情報



ブラック・アンド・デッカーは、電動工具以外にも、家庭用電化製品、クリーナー、ガーデニング用品など、幅広い製品を展開しています。DIY文化の普及に大きく貢献しており、世界中の多くの家庭で愛用されています。また、日本のテレビ番組への提供や協力も行っています。

参考文献




関連項目




外部リンク



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