ブラティスラヴァ世界絵本原画展

ブラティスラヴァ世界絵本原画展（BIB）は、スロバキアの首都ブラティスラヴァで隔年開催される、国際的な絵本原画のビエンナーレです。1967年、チェコスロバキア時代に創設されたこの展覧会は、絵本のイラストレーターに贈られる国際賞としては最も歴史が古く、現在では国際アンデルセン賞と並ぶ権威を誇ります。

BIBは、刊行済みの絵本の原画を対象としており、文章は選考対象外です。ビロード革命後からは、スロバキア文化省が主催し、ユネスコの後援を受けて開催されています。その目的は、児童書先進国の優れたイラストレーターを紹介するだけでなく、世界各国に隠れた才能を発掘することにもあります。そして何よりも、訪れる子どもたちにとって忘れられないイベントとなることを目指しています。

展覧会には、世界各国から多くの応募があり、国際的な審査員団が厳正な審査を行います。選出された作品はブラティスラヴァで展示されるほか、過去のBIBグランプリ受賞者や国際アンデルセン賞受賞者の作品も併せて展示されます。グランプリのほか、金のりんご賞、盾などの賞が選出され、児童書出版に貢献した出版社にも賞が贈られます。さらに、子どもたち自身による審査による「子ども審査員賞」といった特別賞も設けられています。

2011年の開催では、44ヶ国から356人の画家の作品2318点が応募されました。国ごとの応募数は最大15点に制限されており、日本からも日本国際児童図書評議会による選考を経て、多くの応募がありました。

BIBの展覧会は、現在では日本を含む約40ヶ国で巡回展を開催しています。これにより、世界各地の人々が、優れた絵本原画を鑑賞する機会を得ています。

BIBの活動は、展覧会開催だけにとどまりません。1987年には、BIBIANA - 国際児童芸術館が設立されました。BIBIANAは、専門的なギャラリーを備え、絵本や児童文学の発展のための活動を行っており、現在では、ブラティスラヴァ・アニメーション展（BAB）も開催しています。

日本からは、BIBグランプリをはじめ、多くの受賞者が出ています。過去のグランプリ受賞作品は、BIBIANAのウェブサイトで閲覧可能です。BIBは、単なる美術展覧会ではなく、国際的な交流と、未来の絵本作家を育成するための重要な役割を担っています。その活動は、世界中の子供たちに豊かな想像力を育むことに貢献しています。

BIBは、非営利団体として運営されており、その活動は世界中の多くの関係者によって支えられています。今後も、BIBは世界中の絵本ファンを魅了し続け、絵本の文化発展に貢献していくことでしょう。多様な文化が交差するBIBは、絵本を通じて世界をつなぐ架け橋としての役割も担っていると言えるでしょう。

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