国際児童図書評議会

国際児童図書評議会(IBBY)の概要

国際児童図書評議会(IBBY: International Board on Books for Young People)は、子どもたちの健やかな成長を願い、読書を通して国際的な相互理解を深めることを目的とした国際組織です。1953年、イエラ・レップマンによってスイスのチューリッヒで設立されました。現在、本部はバーゼルにあり、世界80以上の国と地域が加盟しています。

IBBYは、国連の『子どもの権利条約』を尊重し、すべての子どもが教育と情報へのアクセスを享受できるよう、児童図書の出版・普及に力を入れています。子どもの読書環境の向上と国際的な交流を通じて、より良い未来を築くための活動に貢献しています。

日本においては、1974年に日本国際児童図書評議会(JBBY)が設立され、IBBYの活動と連携しながら、日本の児童図書文化の発展に大きく貢献しています。

IBBYの主な活動

IBBYは、世界中の子どもたちに良質な読書体験を提供するため、多様な活動を展開しています。主な活動内容は以下の通りです。

IBBY世界大会の開催: 1953年の設立以来、2年に一度開催される世界大会では、基調講演、分科会、授賞式、総会などを通して、世界の児童図書に関する議論や情報交換が行われます。過去には、ミュンヘン、チューリッヒ、ウィーン、東京など世界各地で開催され、多くの関係者が集まりました。特に、1998年のニューデリー大会と2002年のバーゼル大会では、日本の美智子皇后がビデオメッセージとご臨席により大会を祝福されました。
国際アンデルセン賞: 世界で最も権威のある児童[[文学]]賞の一つで、優れた児童[[文学]]作家と画家を表彰します。
IBBYオナーリスト: 各国の優れた児童図書を選定し、世界中に紹介するリストです。
IBBY朝日国際児童図書普及賞: 日本の児童図書文化の発展に貢献した個人や団体を表彰します。
IBBY-iRead読書プロモーター賞: 読書活動の推進に貢献した個人や団体を表彰します。
国際子どもの本の日: 4月2日。世界中で子どもと本の素晴らしさを再認識する日として、様々なイベントが開催されます。
機関誌「Bookbird」の発行: 児童図書に関する情報を世界中に発信する機関誌です。
バリアフリー児童図書コレクション: 身体的なハンディキャップを持つ子どもたちにも読書を楽しんでもらえるよう、配慮された図書のコレクションです。
サイレント・ブックス（文字のない絵本）: 言葉の壁を超えて、世界中の子どもたちが楽しめる絵本です。
IBBY山田基金: 児童図書の発展を支援する基金です。
* チルドレン・イン・クライシス: 紛争や災害など困難な状況にある子どもたちへの支援活動です。

さらに、ユネスコやユニセフといった国際機関とも連携し、ミュンヘン国際児童図書館やブラチスラヴァ世界絵本原画展などにも協力しています。

IBBYと日本の関わり

日本国際児童図書評議会(JBBY)は、IBBYの日本支部として、日本の児童図書文化の発展に貢献しています。JBBYは、国際的な活動への参加だけでなく、国内での児童図書普及のための様々な活動も行っています。

関連文献

IBBYの活動や歴史、児童[[文学]]に関する様々な書籍が出版されています。美智子皇后の著作『橋をかける』『バーゼルより』なども、IBBYとの関わりや、児童[[文学]]への深い造詣を示す貴重な資料です。

まとめ

IBBYは、世界中の子どもたちに読書の喜びを届けるため、国際的な協力体制の下、精力的に活動しています。その活動は、単なる児童図書の普及にとどまらず、子どもたちの権利擁護や国際理解の促進にも繋がっています。これからもIBBYの活動に注目し、世界の子どもたちの未来を共に考え、支援していくことが重要です。

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