国際アンデルセン賞

国際アンデルセン賞とは

国際アンデルセン賞は、児童文学界において卓越した貢献を果たした作家と画家を顕彰する、世界的に権威のある賞です。デンマークの童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの名を冠し、「小さなノーベル賞」とも称されるこの賞は、児童文学の分野で非常に大きな影響力を持っています。

賞の概要

国際児童図書評議会 (IBBY) によって隔年で授与されるこの賞は、当初は特定の作品に対して贈られていましたが、現在は作家または画家の生涯にわたる業績全体を評価して贈られます。作家賞と画家賞の2つの部門があり、それぞれの分野で傑出した才能を持つ人物が選ばれます。

また、本賞に準ずるものとして、各国のIBBY支部が選出した優秀な児童文学作品を掲載した「IBBYオナーリスト」が隔年で発表され、作家、画家、翻訳者を対象とした表彰も行われています。

歴史

1956年に作家賞が創設され、1966年には画家賞が追加されました。作家賞は、初期には特定の作品に対して贈られていましたが、1962年以降は作家の全業績を対象とするようになりました。

日本では、1964年に『国際アンデルセン賞受賞画家絵本選』（ほるぷ出版）で本賞が紹介され、1968年から1969年にかけて講談社より『国際アンデルセン大賞名作全集』全16巻が刊行され、広く知られるようになりました。

受賞者

作家賞

過去の受賞者には、以下のような著名な作家が名を連ねています。

1958年 - アストリッド・リンドグレーン（スウェーデン）
1966年 - トーベ・ヤンソン（フィンランド）
1970年 - ジャンニ・ロダーリ（イタリア）
1994年 - まど・みちお（日本）
1998年 - キャサリン・パターソン（アメリカ）
2014年 - 上橋菜穂子（日本）
2018年 - 角野栄子(日本)

画家賞

画家賞の受賞者もまた、児童書のイラストレーション分野で多大な貢献をしてきた人々です。

1970年 - モーリス・センダック（アメリカ）
1980年 - 赤羽末吉（日本）
1984年 - 安野光雅（日本）
* 2000年 - アンソニー・ブラウン（イギリス）

日本と国際アンデルセン賞

日本からは、作家のまど・みちお、上橋菜穂子、角野栄子の3名と、画家の赤羽末吉、安野光雅の2名が国際アンデルセン賞を受賞しています。これは、日本の児童文学、絵本が国際的に高く評価されている証と言えるでしょう。

国際アンデルセン賞は、児童文学の質を高め、国際理解を深める上で重要な役割を果たしています。受賞者の作品は、世界中の子どもたちに感動と喜びを与え、豊かな心を育むことでしょう。

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