ブラバム・BT11

ブラバム・BT11：F1の歴史に名を刻んだ名車

ブラバム・BT11は、1964年から1968年にかけてフォーミュラ1世界選手権で活躍したレーシングカーです。設計を手掛けたのは、才能あるデザイナー、ロン・トーラナック。ワークスチームとプライベーターチームの両方で使用され、その活躍はF1の歴史に深く刻まれています。

輝かしい戦績とドライバーたちのドラマ

BT11は、合計8度の表彰台を獲得するという素晴らしい成績を残しました。特に1965年シーズンは記憶に残るものとなりました。ダン・ガーニーがアメリカグランプリとメキシコグランプリで2位を獲得し、2戦連続で表彰台に上る快挙を達成しています。

さらに、BT11は将来のワールドチャンピオンであるヨッヘン・リントのF1デビューカーとしても知られています。彼はこのマシンを駆り、F1の世界に飛び込みました。しかし、BT11の活躍の裏には悲劇も潜んでいました。1965年ドイツグランプリでは、ジョン・テイラーが事故に巻き込まれ、重度の火傷を負い、その後4週間で亡くなってしまうという痛ましい出来事が起こりました。

F1以外の活躍：タスマンシリーズ

BT11はF1だけでなく、オフシーズンのタスマンシリーズにも参戦しました。このシリーズでの活躍も、BT11の総合的な性能の高さを示すものです。

複雑なF1ポイントシステムとBT11の貢献

1960年代のF1は、現代とは異なるポイントシステムを採用していました。各レースの上位6台に9-6-4-3-2-1ポイントが与えられましたが、各チームの上位1台のみがポイントを獲得できました。さらに、各ラウンドで各シャシーメーカーとエンジンメーカーの組み合わせから最上位に入った車のみがポイントを獲得する資格があり、すべてのラウンドが選手権ランキングにカウントされたわけではありませんでした。

ポイント計算方法も年によって異なりました。
1964年と1965年はベスト6戦
1966年はベスト5戦
1967年は前半6戦のうちベスト5戦、後半5戦のうちベスト4戦
1968年は前半6戦のうちベスト5戦、後半6戦のうちベスト5戦

括弧のない数字が選手権の有効ポイント、括弧内の数字が総獲得ポイントを表しています。例えば、1964年にBT11が獲得した5ポイントは、チーム全体の獲得ポイント25ポイントのうちの一部分であり、残りの20ポイントはBT7によって獲得されました。また、1968年のすべてのポイントはBT20、BT24、BT26によって獲得されました。

まとめ：レジェンドマシンの足跡

ブラバム・BT11は、高い戦闘力と数々のドラマを生み出した、記憶に残るフォーミュラ1マシンでした。プライベーターチームの活躍を支え、将来のチャンピオンの登竜門となり、そして悲しい事故も経験しました。複雑なポイントシステムの中で、その存在感を示したBT11は、F1の歴史において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。その活躍は、多くのF1ファンに語り継がれる、真のレジェンドマシンの足跡なのです。

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