ブラヒム・ガリ

ブラヒム・ガリ（Ibrāhīm Ġālī, 1949年8月19日 - ）は、サハラ・アラブ民主共和国（SADR）の政治家、軍人であり、同国大統領を務めています。彼はサフラウィー人の民族自決とモロッコからの独立運動において中心的な役割を果たしました。

生い立ちと初期の活動

ガリはスマラ出身で、1960年代末にスペイン領サハラの補助部隊に入隊し、行政の仕事に従事しました。しかし、彼はサフラウィー人の政治指導者たちと連携し、1969年にはサギア・エル・ハムラおよびワーディー・エル・ダーハブ解放運動を共同で設立しました。1970年のアイウンでのデモ（ゼムラ蜂起の引き金となった）に参加したため、スペイン軍に拘束され、政治活動を理由に1年の懲役刑を受けました。釈放後も政治活動を続け、再び拘束されることもありました。

ポリサリオ戦線での活動

1973年、ガリはポリサリオ戦線結成に参画し、常任委員会の初代総書記に就任しました。エル＝ハンガの襲撃では、エルワリ・ムスタファ・サイードと共にスペイン軍の駐屯地を攻撃し、武器や装備を奪取する作戦を成功させました。1974年にエルワリがポリサリオ戦線の総書記になると、ガリは軍事部門であるサフラウィー人民解放軍の指揮官に転じました。

1975年10月には、スペイン総督との公式会見に参加しましたが、交渉は決裂しました。

サハラ・アラブ民主共和国での役割

1976年3月、ガリはサハラ・アラブ民主共和国の初代国防相に指名され、1989年まで務めました。その後、第二軍管区総司令官に転任しました。

大統領就任と再選

2016年7月、ガリはサハラ・アラブ民主共和国の大統領およびポリサリオ戦線の総書記に選出され、前任者の死去に伴い就任しました。2019年にはナイジェリアを訪問し、大統領と会談しました。2023年1月には大統領兼総書記に再選されました。

ガリは西サハラの独立運動において長年にわたり重要な役割を果たし、サハラ・アラブ民主共和国の建国と発展に尽力してきた人物として知られています。

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