ブランカ1世 (ナバラ女王)

ブランカ1世：ナバラ王国の女王、激動の生涯

ブランカ1世（1387年7月6日 - 1441年4月1日）は、ナバラ王国の女王として、その治世（1425年 - 1441年）を彩りました。彼女は、カルロス3世（シャルル3世、エヴルー伯）とカスティーリャ王エンリケ2世の娘レオノールとの間に生まれた長女であり、フランスではブランシュ・ド・ナヴァール、イタリアではビアンカ・ディ・ナヴァッラとして知られています。

生涯

ブランカ1世の生涯は、二度の結婚と王位継承を巡る争いに彩られています。最初の結婚は1402年、シチリア王マルティーノ1世（アラゴン王マルティン1世の子）との間でした。二人の間にはマルティーノ（1403年 - 1407年）という息子が生まれますが、夭逝。その後、マルティーノ1世も1409年に亡くなり、シチリア王位はマルティン1世がマルティーノ2世として継承しました。

10年の歳月を経た1419年、ブランカ1世はアラゴン王フェルナンド1世の次男フアン（後のアラゴン王フアン2世）と再婚します。フェルナンド1世は、マルティン1世の甥であり、ブランカの母方の従兄にあたります。1425年に父カルロス3世が亡くなると、男子相続人がいなかったため、長女であるブランカ1世がナバラ王位を継承し、夫フアンもナバラ王となりました。

ブランカ1世とフアン2世の間には、1男3女が生まれています。

カルロス（1421年 - 1461年） - ビアナ公
フアナ（1423年 - 1425年）
ブランカ（1424年 - 1464年） - カスティーリャ王エンリケ4世と結婚
レオノール（1426年 - 1479年） - ナバラ女王（1479年）、フォワ伯ガストン4世と結婚

1441年にブランカ1世が亡くなると、夫フアン2世が単独でナバラ王となりました。しかし、ブランカ1世は遺言で王位を長男カルロスに譲ることを表明していました。フアン2世が王位を譲らなかったため、父子の間に対立が生じ、内戦が勃発します。フアン2世は1444年にフアナ・エンリケスと再婚し、1458年には兄アルフォンソ5世の王位も継承してアラゴン王フアン2世となりました。

ブランカ1世の死後、ナバラ王国は混乱の時代を迎えます。彼女の遺志は、王位継承を巡る争いの火種となり、王国の未来に大きな影響を与えました。彼女の生涯は、中世ヨーロッパの王室における権力闘争と、女性君主の置かれた複雑な立場を物語っています。

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