ブランデンブルク州 (1945年-1952年)

ブランデンブルク州 (1945年-1952年)

ブランデンブルク州（ドイツ語: Land Brandenburg）は、第二次世界大戦後のドイツにおいて、1945年から1952年まで存在した地方行政区分です。当初はソ連占領地域に、その後はドイツ民主共和国に置かれました。

概要

現在のドイツ連邦共和国ブランデンブルク州と同じ名称ですが、その範囲はやや異なっています。第二次世界大戦後、ヤルタ会談での合意に基づき、アメリカ軍がドイツ西部から撤退。1945年7月、在独ソ連軍政府はソ連占領地域に含まれていたプロイセン自由州のブランデンブルク州を分割しました。オーデル・ナイセ線以東をポーランド人民共和国に編入し、残りの地域をマルク・ブランデンブルク州（Provinz Mark Brandenburg）としたのです。

マルク・ブランデンブルク州は1947年2月のプロイセン州解体に伴い、ラント・マルク・ブランデンブルク（Land Mark Brandenburg）を経て、ラント・ブランデンブルク（Land Brandenburg）となりました。ナチス・ドイツ時代の行政区分である大管区でいうと、マルク・ブランデンブルク大管区と大ベルリン大管区の一部を加えた領域に相当します。

歴史

ドイツの戦後処理において、在独ソ連軍政府は1945年7月に占領下の各地区に政府を設置しました。マルク・ブランデンブルク州の行政長官にはカール・シュタインホフが任命され、彼は後にブランデンブルク州首相に就任します。

ブランデンブルク州議会の第1回選挙は1946年10月20日に実施されました。ソ連の後ろ盾を得たドイツ社会主義統一党（SED）が得票率43.5％で第一党となり、キリスト教民主同盟（CDU）が30.3%、自由民主党（LDPD）が20.5％、農民相互協力協会（VdgB）が5.7％と続きました。1949年にはシュタインホフが退任し、ルドルフ・ヤーンが第2代州首相となりました。

1947年2月には州憲法が採択されましたが、州議会のすべての決議は在独ソ連軍政府の承認を経る必要がありました。1949年10月にドイツ民主共和国が建国されると、1950年10月には第2回州議会選挙が行われました。しかし、この選挙はすべての政党が合同して選挙連合「国民戦線」を結成した上で行われ、候補者リストもあらかじめ体制側が決めた議席配分に基づくものでした。実質的にはドイツ社会主義統一党率いる翼賛体制への信任投票であり、投票率は99.9％に達しました。

この選挙後、議会上院にあたる共和国参議院に5人の州代表が送られましたが、これは最初で最後の事例となりました。ドイツ社会主義統一党は中央集権的な単一国家の建設を目指し、連邦制を否定したため、1952年7月のドイツ民主共和国憲法改正により州は解体されました。5つあった州はそれぞれ解体され、14の県 (Bezirke) に再編。ブランデンブルク州はコトブス県、フランクフルト県、ノイブランデンブルク県、ポツダム県、シュヴェリーン県の5県に分割されました。

その後、1958年には共和国参議院も廃止され、1968年と1974年の憲法改正を経て、1989年のベルリンの壁崩壊まで、連邦制はドイツ民主共和国において排除されました。1990年3月に同国初の自由選挙が実施され、ドイツ再統一を主張する保守連合「ドイツ連合」が勝利すると、1990年7月23日に県を統合し、境界を調整して新たに5州 (新連邦州) が設置されました。人民議会は8月23日に新連邦州が西ドイツ基本法第23条に基づき10月3日にドイツ連邦共和国に加盟すると決議し、ドイツ再統一が実現しました。

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