ブリクサ・バーゲルト

ブリクサ・バーゲルト（Blixa Bargeld、1959年1月12日 - ）は、ドイツ・ベルリン出身のミュージシャン、詩人、作曲家、俳優、パフォーマーとして多岐にわたる活動を展開しています。本名はクリスティアン・エメリッヒ (Christian Emmerich)です。

1980年、西ベルリンで結成された伝説的なロックバンド、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン (Einstürzende Neubauten) の創設メンバーであり、リーダーとしてバンドを牽引してきました。また、ニック・ケイヴ&ザ・バッドシーズ (Nick Cave & The Bad Seeds) の創設メンバーとしても知られています。

芸名の由来は、フェルトペンに書かれていた「Blixa」という文字と、ケルン・ダダの芸術家ヨハネス・テオドア・バアーゲルト (Johannes Theodor Baargeld) の姓を組み合わせたものです。この名前の語呂の良さを気に入り、使用するようになりました。近年では、公的に「ブリクサ・バーゲルト」の名前を使用するよう自治体から要請され、パスポートにも正式に記載されています。また、ドイツ語で「Bargeld」は「現金」を意味するため、ドイツ語圏でキャッシュカードを使用すると驚かれるというエピソードも持っています。

アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンでは、作詞作曲から編曲まで全てを取り仕切り、バンドを主導しています。ボーカルとキーボード（オルガン）を担当し、1980年代のノイズミュージックとパンク・ロックを融合させた過激なパフォーマンスで注目を集めました。その後、実験音楽的なロックへと音楽性を進化させ、世界中でカルト的な人気を博しています。日本でも1980年代に人気を博しましたが、現在ではインダストリアル・ノイズの文脈で語られることが多いです。

ニック・ケイヴ&ザ・バッドシーズでは、ギターを激しくかき鳴らす独特な演奏法でバンドに貢献しました。楽曲によっては前面に出ることもあれば、全く出番がないこともありました。「The Weeping Song」などのデュエット曲ではボーカルも担当しています。2003年、ブリクサはノイバウテンとソロ活動に専念するため、長年の友人であるニック・ケイヴを含むバンドメンバーやファンに惜しまれながら、バッドシーズを脱退しました。

ソロ活動においては、「Rede/Speech Performances」や『記憶の執行』など、声や言葉を用いたパフォーマンスを中心に活動しています。また、演劇や映画にも出演し、その独特な雰囲気を活かした役柄を演じています。意外なところでは、ドイツのホームセンターチェーン、ホーンバッハ (Hornbach) のテレビCMで、カタログの文章をパフォーマンスを交えて読み上げるという仕事も行いました。

近年では、アルヴァ・ノトとのプロジェクト「ANBB」での活動が活発です。

日本へは、ノイバウテンおよびバッドシーズの一員として来日したほか、『記憶の執行』の公演で1995年に、ANBBとして2011年に来日しています。

私生活では、多くのロマンスがあり、熱狂的な女性ファンとのトラブルも経験しました。現在は、ノイバウテンの公式ウェブサイト「neubauten.org」の管理人であり、バンドの活動にも協力している中国系アメリカ人のエリン・ズゥ (Erin Zhu)と結婚しています。

参考文献：
武村知子『日蝕狩り ブリクサ・バーゲルト飛廻双六』青土社、ISBN 4791761049

外部リンク：
公式ウェブサイト
アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン公式ウェブサイト'>アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン公式ウェブサイト
IMDb（英語）'>Blixa Bargeld - IMDb（英語）

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