ブリジット・ジョーンズの日記

『ブリジット・ジョーンズの日記』

ヘレン・フィールディングが1996年に発表した小説『ブリジット・ジョーンズの日記』は、30代独身女性ブリジット・ジョーンズが綴る日記という形式で、彼女の日常と心の機微をユーモラスに描いた作品です。2006年時点で世界で200万部以上を売り上げ、現代のチック・リット（女性向け小説）の先駆けとして評価されています。

続編として、『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』（1999年）、『ブリジット・ジョーンズの日記 恋に仕事に子育てにてんやわんやの12ヶ月』（2013年、改題され『— 恋に仕事にSNSにてんやわんやの12ヶ月』）が発表されています。

あらすじ

舞台はロンドン。ブリジット・ジョーンズは、30代の独身女性。彼女は新年の誓いを立て、日記に日々の出来事や感情を書き綴ります。恋愛、ダイエット、アルコールやタバコとの葛藤、仕事の悩みなど、等身大の女性の姿が描かれています。

日記には、親友のジュード、シャロン、トムをはじめ、ブリジットの両親や隣人など、個性的なキャラクターが登場し、彼女の生活を彩ります。物語のベースにはジェイン・オースティンの『高慢と偏見』があり、登場人物の名前にもその影響が見られます。

物語は、新年のパーティでブリジットが弁護士のマーク・ダーシーと出会う場面から始まります。しかし、第一印象は最悪。その後、ブリジットは出版社の上司ダニエル・クリーヴァーと付き合いますが、彼の浮気が発覚し破局。テレビレポーターに転職します。一方、ダーシーとの距離は徐々に縮まります。そんな中、ブリジットの母がポルトガル人男性と恋に落ち、父との関係が危機に瀕するという騒動が起こります。そのポルトガル人男性は詐欺師であり、ダーシーの活躍によって逮捕。ブリジットの母も共謀罪を免れます。事件後、ダーシーとブリジットはクリスマスを共に過ごし、恋人として結ばれます。ブリジットは新年の誓いを振り返り、充実した一年を締めくくるのでした。

評価

小説は1998年のブリティッシュ・ブック・オブ・ザ・イヤーを受賞。オーディオブック版では、バーバラ・ローゼンブラットが2000年のアウディ賞ソロ・ナレーション部門（女性）を受賞しています。また、BBCが実施した「ザ・ビッグ・リード」という英国人が好きな本を選ぶ投票では、2003年に75位にランクインしました。

映画化・ミュージカル化

2001年にはレネー・ゼルウィガー主演で映画化され、こちらも大ヒットしました。ゼルウィガーは役作りのために体重を増やし、アカデミー主演女優賞にノミネートされました。ヒュー・グラントがダニエル・クリーヴァー、コリン・ファースがマーク・ダーシーを演じています。コリン・ファースの起用は、原作者のフィールディングが、彼がテレビドラマ『高慢と偏見』で演じたダーシーに惚れ込んでいたことが理由とされています。監督はフィールディングの友人であるシャロン・マグワイアが務めました。

また、ミュージカル化の計画も存在します。2012年にロンドン・ウェストエンドで開幕予定でしたが、詳細は未定のままです。リリー・アレンが作詞作曲、スティーブン・ダルドリーが監督、ピーター・ダーリンが振り付けを担当する予定でした。主役にはシェリダン・スミスを据えたワークショップも行われています。

関連作品

* 高慢と偏見

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