ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月

ブリジット・ジョーンズ、またもや大騒動！『きれそうなわたしの12か月』

ヘレン・フィールディングによる小説『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』は、前作に引き続き、ブリジット・ジョーンズの日常を日記形式で綴った物語です。今回は、マーク・ダーシーとの恋愛、友人との関係、そして予期せぬトラブルが満載。彼女のユーモラスな視点を通して、現代女性の悩みや喜びが描かれています。

あらすじ

物語は、ブリジットがマーク・ダーシーと付き合い始めたばかりの頃から始まります。しかし、彼女はマークの同僚であるレベッカの存在に不安を覚え、二人の関係を疑心暗鬼に。友人たちとの間でも、結婚やキャリアに対する価値観の違いから、すれ違いが生じ始めます。

そんな中、ブリジットは仕事で映画スター、コリン・ファースにインタビューする機会を得ますが、質問内容が彼の意に沿わず、失敗に終わってしまいます。さらに、自宅の改装を依頼した業者に壁に穴を開けられたまま放置されるなど、災難続き。

気晴らしに友人シャロンとタイへ旅行に出かけますが、そこで出会った男性ジェッドに騙され、麻薬密輸の疑いで逮捕されてしまいます。異国の留置場で絶望するブリジットでしたが、マークや外務省の助けにより無罪放免で帰国。しかし、帰国後にはダイアナ妃の事故死という悲しい出来事が彼女を打ちのめします。

様々な困難を乗り越え、ブリジットはマークとの関係を修復し、友人たちとの絆を再確認。最後には、マークからアメリカ行きに誘われるなど、新たな生活への希望を抱くのでした。

『説得』との関連

前作がジェーン・オースティンの『高慢と偏見』を下敷きにしていたのに対し、本作は同じくオースティンの『説得』との関連が見られます。登場人物の名前やシーン構成など、随所に『説得』からの引用が見られ、物語に深みを与えています。

例えば、ブリジットと対立するレベッカが川に飛び込んで足を怪我する場面は、『説得』でアンのライバルであるルイーザが転倒する場面と呼応しています。また、ブリジットがマークの結婚話を聞いて動揺する場面は、『説得』でアンが元恋人の結婚話を聞いて動揺する場面と共通しています。

コリン・ファースとの内輪ネタ

ブリジットはドラマ版『高慢と偏見』に夢中で、ダーシー役を演じたコリン・ファースにインタビューする場面があります。これは、映画版『ブリジット・ジョーンズの日記』でファースがマーク・ダーシー役を演じていることに対する内輪ネタであり、ファンにとっては嬉しい演出です。

評価

本作は、前作に引き続き、ユーモアと共感に満ちたストーリーで多くの読者を魅了しました。一方で、一部の批評家からは、物語の展開にマンネリを感じるとの声も上がりました。

セシリア・サルバーは、「オースティンを『近代化』することで、フィールディングはモデル[にしたオースティン作品]を讃えるだけでなく、新しい世紀において、彼女の認識が正しいものだとも証明した」と評価しています。

『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』は、恋愛、仕事、友人関係に悩む現代女性の姿をリアルに描いた、共感と笑いに満ちた物語です。ぜひ、ブリジットと一緒に、波瀾万丈な一年を体験してみてください。

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