ブリジット・リン

ブリジット・リン：アジアの映画界を彩った女優

ブリジット・リン（林 青霞）は、1954年11月3日に台湾で生まれ、映画界で数々の記録を打ち立てた著名な女優です。幼少期は台北県で過ごし、嘉義県の大林鎮で育ちました。1972年にスカウトされ、1973年に映画デビューを果たし、すぐに台湾映画界の青春スターとしての地位を確立しました。彼女は特に1975年に公開された『八百壮士』での演技が評価され、アジア太平洋映画祭最優秀主演女優賞を受賞しました。

ブリジット・リンはその後、台湾で50本以上の文芸映画に出演し、1979年にはアメリカに渡ります。アメリカでも活躍を続け、パトリック・タム監督の『愛殺』に出演しました。さらに、1984年にはツイ・ハーク監督からの熱心なオファーを受け、『蜀山奇傅 天空の剣』に出演。この作品をきっかけに香港に拠点を移し、さらに多くの映画に出演することになります。

彼女はジャッキー・チェンが主演する『ポリス・ストーリー/香港国際警察|ポリス・ストーリー_香港国際警察』（1985年）や、ツイ・ハーク監督の『北京オペラブルース』（1986年）など、多数の名作に名を連ねました。特に『北京オペラブルース』では、男装の麗人を演じ、その高い演技力が大きく評価されています。1990年には『レッドダスト』で金馬奨の最優秀主演女優賞を受賞し、女優としての地位を不動のものとしました。

また、ブリジット・リンは特に男装の役柄において輝かしいキャリアを持ち、『スウォーズマン/女神伝説の章』（1992年）での東方不敗役が彼女の代表的な役となり、当時の男装女優の代名詞となりました。以降も『キラーウルフ 白髪魔女伝』（1993年）など、多くの武侠映画に出演し、独自の存在感を放ち続けました。

彼女の作品には、1978年の『新白蛇伝』、1981年の『ロンゲスト・ブリッジ』、1984年の『アマゾネス・コマンドー 美女脱獄囚: 地獄のX作戦』などがあり、1994年にはウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』や『楽園の瑕』にも出演しました。これら数々の作品を経て、彼女は台湾映画界の巨星として名を馳せました。

その後、結婚を機に女優業から距離を置くこととなりますが、現在は執筆活動を中心に精力的に活動しています。ブリジット・リンは、その独特なキャラクターと演技力から、台湾及びアジアの映画界に多大な影響を与えました。今なお多くのファンに愛され続け、彼女の存在は映画史に刻まれています。

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