台北県

台北県の概要

台北県は、かつて中華民国の台湾省に存在していた地方行政区画であり、その歴史は1945年の台湾光復（日本の統治からの解放）に始まります。この時、台北州の大部分が台北県に編入され、台北市と基隆市を除いた地域がその管轄とされました。台北県の政府は当初、台北市内の華山に設置されましたが、火災を受けて1946年に蘆洲郷へ移転し、翌年の1947年には板橋鎮に正式に設置が決定されました。

沿革

1950年には台湾省の行政区画が大規模に見直され、いくつかの区域が宜蘭県として分割されました。その後、台湾全体で急速に都市化が進み、1979年には台北県の人口が院轄市設置基準を満たしましたが、何度も昇格の計画が行政院によって却下されました。1990年には人口が300万人を超え、2007年には「準直轄市」への昇格が実施され、実質的に直轄市級の権限を授与されました。

2008年には、当時の総統が台北県に早急な権限の付与を指示し、2009年には内政部が台北県改制の承認を行いました。そして、2010年12月25日に台北県は直轄市に昇格し、新北市と改名されました。新北市は中華民国台湾地区で最も人口を抱える直轄市となりました。

行政区画の変遷

台北県の行政区画は年々変遷していきました。1945年の設置時には日本統治時代の郡を基にした区画が課された後、1946年と1947年に新たに鎮や郷が設立されました。1950年には大規模な再編が行われ、他の新設県への分割が実施され、台北県の規模が徐々に縮小していきました。
特に、1968年7月1日には台北市が院轄市に昇格したことにより、いくつかの郷が編入され、さらに地域の変化が生じました。その後も多くの町が県轄市に昇格し、県の権限は薄れていきました。

県政府組織

台北県の行政機関は多岐にわたり、民政課、財政課、教育課をはじめ、様々な部門が設置されていました。これに加え、警察、消防、衛生、文化などの一級機関も存在し、地域住民の生活を支えていました。各機関は相互に連絡を取り合いながら、行政の効率化に努めていました。

まとめ

台北県の歴史は、台湾の政治、経済、文化の発展のプロセスを反映しています。県は2010年に新北市として新たな歴史を歩み始め、今でもその影響は地域に根付いています。台北県から新北市への移行は、台湾の地域行政のあり方、都市の構造や発展にも大きな影響を与えました。

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