ブリタニック (客船・2代)

ブリタニック (HMHS Britannic)

ブリタニックは、イギリスの客船で、タイタニックとオリンピックと共に「オリンピック級」と称される三姉妹の一隻です。1907年に計画が立てられ、豪華さと安全性を重視して設計されました。これは、キュナード・ラインのライバルとして位置付けられ、オリンピックは1911年に、タイタニックは1912年にそれぞれ進水しました。

造船から進水までの道のり

1908年から1909年にかけて、建造が行われました。しかし、タイタニック号の沈没（1912年4月）を受けてブリタニックの設計は大きく見直され、二重船底が底部から側面まで延長されるなどの安全対策が施されました。また、元々の名前「ジャイガンティック」から現在の「ブリタニック」に改名され、1914年に進水式を迎えました。

軍艦としての徴用

第一次世界大戦が始まると、ブリタニックは病院船として徴用され、1915年5月のエンジン試験を経て、同年12月に本格的に運行を開始しました。ブリタニックは、3309台のベッドと手術室を備え、負傷兵の救護に尽力しました。

最初の任務と航海の始まり

リヴァプールを出発したブリタニックは、エーゲ海のムドロス港に寄港し、負傷兵を運びました。彼女は他の姉妹船と共に、戦場の医療支援に重要な役割を果たしました。それに続く航海でも、ブリタニックは負傷兵の輸送を行い、1916年にはワイト島沖で水上病院として使用されました。

最後の航海と運命

1916年11月12日、ブリタニックはサウサンプトンを出航し、地中海への6度目の航海を始めました。しかし、11月21日に機雷に触れ、激しい爆発が発生しました。船員たちは内部で混乱に陥りながらも、救命ボートを準備し、脱出を試みましたが、船は急速に傾き始めました。

脱出の難しさ

爆発から数分後、ブリタニックは深刻な状態に陥り、多くの乗組員が命を失うことになりました。救命ボートは自己判断で降ろされ、多くの人が救命ボートに乗り込むことができましたが、船が沈没するまでの間、残った人々は途方に暮れることになりました。

沈没とその後の救助

ブリタニックは徐々に沈んでいき、最終的に右舷側が完全に海水に沈没しました。多くの人が救助されたものの、わずか21人の命が失われました。救助活動は迅速で、生存者たちはイギリス海軍によって安全に運び出されました。

沈没原因の調査

後の調査により、ブリタニックが沈没した原因は、機雷によるものであることが判明しました。海底調査では、船が沈む際に開かれた舷窓や閉じるべき防水扉が解放されていたことも分かりました。これらの要因が、沈没を早めたと考えられています。

まとめ

ブリタニックは、豪華な客船から戦時下の病院船へと転用され、多くの命を救うために尽力しました。しかし、その運命はトラブルに見舞われ、悲劇的な結末を迎えることとなります。彼女の物語は、船舶歴史の中で重要な位置を占め、今なお語り継がれています。

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