ブリックパック

ブリックパックとは、一枚の厚紙を直方体に折り曲げて作られた箱型の紙容器のことです。この容器は、厚手の紙にポリエチレンフィルムをラミネートすることで防水性を持たせています。さらに、必要に応じて内面にアルミ箔を加えて、長期保存が必要なものや、光や温度変化に弱い内容物を保護することも可能です。

ブリックパックの最大の特徴は、そのシンプルな構造にあります。基本的に一枚の紙で構成されているため、接着部分を剥がして折線を元に戻せば、一枚の長方形の展開図になります。この構造のおかげで、軽量でありながら、ある程度の強度と耐久性を確保し、使用後は折りたたんで容積を減らすことができるというメリットがあります。

日本では、「ブリックパック」という名称は株式会社明治の登録商標であるため、同社の製品以外では許可なく使用できません。そのため、一般的には「紙パック」という名称が広く使われています。

用途

ブリックパックは、牛乳をはじめとする様々な飲料の使い捨て容器として広く利用されています。その他にも、食用油、日本酒、ワインといったアルコール類の容器としても使用されています。特に後者では、内面にアルミ箔を使用したものが一般的です。

家庭用だけでなく、業務用食品のパッケージとしても使われ、ゼリーや羊羹などの半生食品の容器や、豆腐のパッケージとしても利用されています。また、アメリカでは、22口径の小型拳銃弾の包装容器としてもブリックパックが使用されています。

歴史

ブリックパックの原型は、1962年にドイツのPKL社（Papier- und Klebstoffwerke Linnich）が開発した「blocpak」という商品名で登場しました。「blocpak」は、1930年にギュンターマイヤー・ヤーゲンベルクが特許を取得した耐水性紙容器「perga」の技術を基に、積み重ねやすく改良したものです。その後、無菌充填システム「combibloc」と合わせて、PKL社の主力製品となりました。

PKL社は1989年にスイスのSchweizerische Industrie Gesellschaft社 (SIG) に買収され、現在に至っています。

関連項目

ミルクカートン
テトラパック社
ゲーブルトップ
プリズマ容器

外部リンク

* SIGグループホームページ（英語）

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