ブリックフィルム

ブリックフィルムとは

ブリックフィルムとは、レゴブロックをはじめとするプラスチック製のブロック玩具を用いて制作されるアニメーション映画の一種です。ストップモーション・アニメーションの手法が用いられ、コマ撮りで動きを表現します。日本で一般的に「レゴブロック」と呼ばれるものは、英語圏では「レゴブリック」（Lego Brick）と呼ばれており、ブリックフィルムの名称もこの「ブリック」に由来しています（ブリックは英語で煉瓦の意味）。

歴史

ブリックフィルムの起源は1980年代に遡ります。オーストラリア・パースのリンゼイ・フレイが制作した「マジック・ポータル」（The Magic Portal）が、最初期の作品の一つとされています。この作品は、ストップモーションと実写映像を組み合わせたもので、レゴブロックやプラスチック部品、厚紙などを素材として使用し、16mmフィルムで撮影されました。

1999年に発売されたコメディ映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』（1975年公開）のDVDには、特典映像としてレゴブロックを使用した再現アニメーションが収録されました。これはSpite Your Face Productionsによって制作され、以降、レゴブロックを用いた再現アニメーションが数多く制作されるようになりました。例えば、2003年のテレビシリーズ『スター・ウォーズ クローン大戦』のDVDには、2005年の映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐|スター・ウォーズ エピソード3_シスの復讐』のパロディ作品である『ブリックの復讐』（Revenge of the Brick）が収録されています（日本語版では『スター・ウォーズ クローン大戦 Vol.2』に収録）。

インターネット動画投稿サイト（YouTubeなど）の普及により、ブリックフィルムは手軽に制作・公開できるようになり、作品数が飛躍的に増加しました。レゴグループからは、ブリックフィルム制作用のセット「#1349 レゴスタジオ・スティーブン・スピルバーグムービーメーカーセット」が発売され、アマチュアによるブリックフィルム制作を後押ししました。レゴミニフィギュアを使った作品が多い一方で、バイオニクルを使用した作品も人気を集めています。

映像作家ミシェル・ゴンドリーは、ザ・ホワイト・ストライプスの楽曲「Fell In Love With A Girl」のミュージックビデオで、実写とCGで撮影・編集した映像をドット単位に分解し、レゴブロックで再構築して撮影するという斬新な手法を用い、大きな話題となりました。

レゴグループとブリックフィルム

近年、レゴグループは自社の新しいレゴシリーズの宣伝にブリックフィルムを積極的に活用しています。例として、レゴスターウォーズ・ブリックの復讐、レゴインディージョーンズ・レイダース/失われたブリック（レイダース/失われたアーク《聖櫃》|レイダース_失われたアーク《聖櫃》）、レゴ・パワーマイナーズ、レゴ・アトランティス、レゴ・プリンス・オブ・ペルシャなどが挙げられます。

ブリックフィルム・コミュニティ

ブリックフィルムの愛好家が集まるコミュニティも存在します。特に規模が大きいのは、BrickfilmsとBricks in Motionです。これらのコミュニティメンバーが制作したブリックフィルムの多くは、YouTubeやVimeoなどの動画共有サイトで公開されており、誰でも自由に鑑賞できます。また、2007年にはブリックフィルムのフェスティバルも開催されています。

参考文献

インターネットアーカイブ：ブリックフィルムのアーカイブ

関連項目

ストップモーション・アニメーション
レゴブロック

外部リンク

Bricks in Motion
* Brickfilms.com

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