ブルガリア王国 (近代)

ブルガリア王国の歴史

概要

ブルガリア王国（Царство България）は、ブルガリアが1908年に独立を宣言し、君主号を皇帝とすることで成立した王国である。この国のスローガンは「団結は力なり」（Съединението прави силата）で、国歌は「シュミ・マリツァ」（Шуми Марица）である。ブルガリア王国は、第一次ブルガリア帝国および第二次ブルガリア帝国に続く第三次ブルガリア帝国として位置付けられている。

前史

ブルガリアの前身であるブルガリア公国は、列強の影響により領土を削減され、自治権を持ちながらも国内には不満が残っていた。特に、ベルリン会議では多くの決定が下されたことが、国の発展に大きな影響を与えた。1908年、オスマン帝国での青年トルコ人革命を契機に、ブルガリアは独立を宣言。フェルディナント公は君主号を皇帝に変更し、名実ともに独立国としての地位を確立した。

バルカン戦争

1912年、ブルガリアはロシア帝国の協力を得て、オスマン帝国との対立が高まる中、セルビア、ギリシャ、モンテネグロとバルカン同盟を結成。モンテネグロがオスマン帝国に宣戦布告したことを受けて、第一次バルカン戦争が勃発した。ブルガリアはこの戦争に勝利し領土を拡大したが、戦後、領土分配を巡って同盟国であるセルビアやギリシャと対立。1913年には、これが原因で第二次バルカン戦争が勃発し、ブルガリアは敗北を喫する。

第一次世界大戦

第一次世界大戦では、ブルガリアは中央同盟国に加わり、失地回復を目指してセルビアに攻撃を仕掛けた。しかし、敗戦を喫し、ヌイイ条約によりエーゲ海沿岸をギリシャに譲渡することになった。敗戦後の政局は混乱し、ボリス3世による親政が行われることになった。

第二次世界大戦

第二次世界大戦では、ブルガリアは枢軸国として参戦。1940年にはルーマニア領の南ドブルジャを併合し、1941年にユーゴスラビアとギリシャを占領した。しかし、1943年にボリス3世が急死し、幼いシメオン2世が即位。急速に情勢が変化する中、1944年9月にはソ連軍が宣戦布告し、ブルガリアは無抵抗で降伏した。

大戦後

1946年には、国民投票を経て王政が廃止され、ブルガリアは共産主義国家・ブルガリア人民共和国となった。シメオン2世はエジプトに亡命し、その後1996年に帰国。2001年には「シメオン2世国民運動」を結成し、経済改革に取り組むものの、再び王政復古を求めることはなかった。

結論

ブルガリア王国の歴史は、独立、戦争、そして共産主義体制へと移行するという波乱に満ちたものである。今なおその歴史は国民に深い影響を与え、国のアイデンティティを育んでいる。

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