ブルックス・ロコモティブ・ワークス

ブルックス・ロコモティブ・ワークスの歴史と業績

ブルックス・ロコモティブ・ワークスは、19世紀のアメリカ合衆国における重要な鉄道車両製造会社です。ニューヨーク州ダンカークに設立され、1869年から1934年までの長い間、多くの蒸気機関車や貨車を製造しました。この工場は、アメリカン・ロコモティブ（アルコ）と合併を経て、そこでの生産が新たな形に変わっていきました。

会社設立の背景

ブルックス・ロコモティブ・ワークスの起源は、1869年にさかのぼります。この年、ニューヨーク・アンド・エリー鉄道（NY&E）がダンカークからバッファローへ工場を移転させたことで、ダンカークは大きな事業所を失う危機に直面しました。しかし、この危機を救ったのが、NY&Eの主任技師であるホレイショ・G・ブルックスでした。彼は、その設備を借りてブルックス・ロコモティブ・ワークスを設立し、同年11月11日から業務を開始しました。

設立後の2年間にわたって、ブルックスは高い生産能力を誇り、月に7両のペースで製造を行いました。1年目には37両、次の年には43両の機関車を納入し、特にNY&Eなどの主要鉄道会社に多くの機関車を供給しました。

経営の浮き沈み

1873年に経営危機が訪れ、新規の機関車注文が減少しました。しかし、ブルックスはこの困難に立ち向かい、数年後には業績を回復。シカゴで開催された鉄道機械博覧会においては、彼の製品が最優秀として評価されました。1884年には1000両目の機関車が完成し、さらにその後126両を生産しました。

1890年代に再び経営不振に陥り、1891年には226両を製造したものの、1894年にはその数が90両にまで減少しました。こうして、ブルックスは1901年に他の7社と合併し、アルコが設立されることとなります。アルコ成立後、この工場はアルコ・ブルックス工場と呼ばれるようになり、1934年まで蒸気機関車の製品が作られ、この時期には高圧容器やパイプなどの製造に移行しました。

工場の生産は第二次世界大戦後に減少し、アルコは1962年に工場を閉鎖しました。

日本との関わり

ブルックス製の機関車が日本に初めて導入されたのは1896年のことで、これが1900年まで続きました。ブルックスの機関車は、その特徴的なデザインが魅力的で、特に曲線を多く取り入れたスタイルが目を引きます。木製運転室や鉄製で深い屋根を持つもの、さらには特有の支持構造などが評価されていました。また、アルコに統合後の1911年には8900形が24両導入されましたが、この頃にはブルックスの個性は薄れ、完全にアルコスタイルとなっていました。

日本には合計91両のブルックス製機関車が輸入され、特にD11クラスの官設鉄道用機関車と九州鉄道の102形が多く生産され、大正期の産業用機関車の源流にも影響を与えました。輸入されたK3形は、後に国産化され、多くの関連製品に模倣される結果となりました。

まとめ

ブルックス・ロコモティブ・ワークスの歴史は、鉄道技術の発展において重要な役割を果たしました。過去の成功と失敗を学び、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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