ブルックリン (軽巡洋艦)

アメリカ海軍軽巡洋艦ブルックリン (CL-40)：その波乱に満ちた艦歴

ブルックリン (USS Brooklyn, CL-40) は、アメリカ海軍が誇るブルックリン級軽巡洋艦の1番艦です。その勇ましい艦名は、ニューヨーク州ブルックリンに由来しており、同名艦としては3代目にあたります。本艦は、1935年3月12日、ニューヨーク州ブルックリン海軍工廠で建造が開始され、1936年11月30日、キャサリン・ジェーン・ラッキー氏（海軍少将の娘）によって命名、進水式が執り行われました。そして1937年9月30日、W・D・ブレレトン・ジュニア大佐の指揮の下、正式に就役しました。

ブルックリンは、1938年後半にパナマ運河地帯で艦隊に合流し、第8巡洋艦分艦隊に配属されました。その後、1939年4月まで艦隊と共に様々な任務に従事した後、帰国。同年4月30日には、盛大に開催されたニューヨーク万国博覧会の開会式に参加しています。5月23日には、ニューハンプシャー州沖で発生した潜水艦「スコーラス」(USS Squalus, SB-192) の事故に際し、救助任務に投入。6月3日まで救助活動に従事しました。その後、西海岸に移動し太平洋艦隊に合流し、1940年2月18日には、ゴールデンゲート万国博覧会の開会式にも参加しています。1941年3月まで西海岸で任務に就いた後、南太平洋への親善訪問および訓練巡航に出かけました。5月には真珠湾を出航し東海岸へ戻り、大西洋艦隊に加わりました。1941年7月1日から7日にかけてはアイスランドのレイキャビクへ向かう海兵隊輸送船団の護衛任務に従事し、同年中は主に船団護衛と中立パトロール任務に費やされました。

アメリカ合衆国が第二次世界大戦に参戦すると、ブルックリンはバミューダやカリブ海の海域で偵察任務に従事しました。1942年4月からはアメリカとイギリス間の船団護衛任務に投入され、9月3日には攻撃を受け放棄された輸送艦「ウェークフィールド」(USS Wakefield, AP-21) から1,173名もの兵士を救助するという偉業を達成しました。損傷が激しかったウェークフィールドはその後牽引され修理されました。

1942年10月24日、ブルックリンは北アフリカへ向けてノーフォークを出航。11月8日にはフェドハラ上陸作戦において砲撃支援を行いました。この時、沿岸砲台の砲撃を受け、艦載砲2門を損傷、乗組員5名が負傷する被害を受けました。11月17日にはカサブランカを出航し東海岸に戻りました。1943年1月から7月まで、ブルックリンは東海岸とカサブランカを3往復する船団護衛任務に従事した後、地中海へ移動。7月10日から14日にかけてはシチリア島侵攻作戦において護衛と砲撃支援を行いました。

地中海に留まったブルックリンは、1944年1月22日から2月9日にかけてアンツィオとネットゥーノへの上陸作戦を支援。5月13日から23日にはフォルミアとアンツィオへの砲撃任務に参加し、その後は南フランス上陸作戦に向けた訓練に参加しました。8月15日には、南フランス海岸への上陸作戦において艦砲射撃任務を行いました。地中海での任務を終え、1944年11月21日にシチリア島を出航、11月30日にニューヨークに到着しました。

1944年12月から1945年5月まで、ブルックリンはニューヨーク海軍工廠で広範囲に渡るオーバーホールを受けました。1945年5月から9月までは東海岸沿岸で訓練を行い、その後フィラデルフィア海軍工廠に入渠し、不活性化オーバーホールが行われました。1946年1月30日に予備役編入となり、1947年1月3日に退役しました。1951年1月9日、相互防衛援助計画に基づきチリに売却され、「オイギンス (O'Higgins)」と改名されました。オイギンスは1980年代まで現役任務に就き、1992年にスクラップとして売却されるまで活躍しました。ブルックリンは第二次世界大戦での功績により、4個の従軍星章を受章しています。

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