ブルックリン・ティップトップス

ブルックリン・ティップトップスの歴史

ブルックリン・ティップトップス（Brooklyn Tip-Tops）は、アメリカのニューヨーク市ブルックリンを本拠地とし、1914年から1915年の間にフェデラル・リーグで活動していたプロ野球チームです。このチームは、所有者のロバート・ウォードが経営していたベーカリー「Tip Top Bakery」から名付けられました。

チームの設立と活動

1914年に創設されたブルックリン・ティップトップスは、当初から大きな期待を集めていました。新リーグであるフェデラル・リーグは、レギュラーリーグに対抗する形で設立されたため、地元ニューヨークでの人気が高まりました。チームの本拠地は、以前はブルックリン・ドジャーズ（現在のロサンゼルス・ドジャーズ）が使用していたワシントン・パークでした。

1914年シーズン

初年度の1914年、ティップトップスは先発投手としてトム・シートンを迎え入れました。シートンは前年にフィラデルフィア・フィリーズで最多勝利を挙げたほどの実力者です。また、攻撃陣にはカージナルスから移籍したスティーブ・エバンスが加わり、シーズンの主力選手となりました。

チームは、開幕当初から歓迎され、期待が集まりましたが、最終的には勝率5割でシーズンを終了しました。彼らは好成績を期待されていたものの、新リーグでの初めての挑戦は決して容易ではありませんでした。

1915年シーズン

次の1915年シーズンに突入すると、チームはリーグの全面的な支援を受け、前年の首位打者であるベニー・カウフを獲得しました。カウフはその年に打率.342と驚異的な成績を残し、リーグ最多盗塁も記録しました。しかし、投手陣のパフォーマンスが上がらず、チームは70勝82敗という成績でシーズンを終えました。

チームの消滅

1915年の終わりに、フェデラル・リーグは解散され、この結果、ブルックリン・ティップトップスも消滅しました。解散後、1916年にはナイトゲームを行う構想が持ち上がりましたが、このアイデアが実現するのは20年後のメジャーリーグにおいて初めてナイトゲームが行われるまで待つことになります。

主な選手と記録

チームで活躍した選手としては、クラウド・クーパーやスティーブ・エバンス、ベニー・カウフ、トム・シートンなどが挙げられます。

• - クラウド・クーパー：1915年に155安打、打率.294を記録。
• - スティーブ・エバンス：1914年の打率.348はリーグ2位、長打率.556はリーグ1位。
• - ベニー・カウフ：1915年にリーグ首位打者、盗塁王。
• - トム・シートン：1914年に25勝を挙げたピッチャー。

球団記録

以下はティップトップスの主な球団記録です：

• - 通算安打数：251（クラウド・クーパー）
• - 通算本塁打数：15（スティーブ・エバンス）
• - 通算打点数：126（スティーブ・エバンス）
• - 通算盗塁数：71（ハップ・マイヤーズ）
• - 通算勝利数：37（トム・シートン）
• - 通算奪三振：258（トム・シートン）
• - 無安打試合：1914年9月19日（エド・ラフィット）

ブルックリン・ティップトップスの活動は短期間でしたが、プロ野球の歴史の中で特異な存在として記憶されており、このチームの存在が今後のナイトゲーム実施へと繋がったことは、特筆に値するでしょう。

もう一度検索