ブルベ

ブルベ（Brevets）について

ブルベは、サイクリング愛好者にとって特別なイベントであり、長距離を指定された制限時間内に完走することを目的としたロングライドのスタイルを指します。参加者は、タイムや順位を競わず、ルートに沿って走行し、チェックポイントを通過してゴールを目指します。フランス語で「認定」を意味する「ブルベ」という言葉は、世界中のサイクリストに広まる一方で、イギリスやオーストラリアでは「オダックス」とも呼ばれています。

ブルベの概要

ブルベは通常、距離が200kmから1,400kmにわたるコースを設定しています。参加者は事前に公表されたルートを走行し、各チェックポイント（PC）で通過証明を得ることが求められます。タイムは計測されますが、順位は発表されず、制限時間は一般的に平均時速15km程度が基準となっています。休憩や宿泊、観光を楽しむことができるため、多くの参加者が自分のペースで楽しむことができます。

チェックポイントでは、飲食店のレシートや地名の看板の写真などが通過証明として利用されます。規定の距離を制限時間内に走行することで、完走の認定が得られ、希望者は記念メダルの購入が可能です。このメダルのデザインは、パリ・ブレスト・パリ（PBP）に合わせて4年ごとに変更されます。

また、参加者は体力やマシントラブルなどの理由で棄権することもできますが、その場合は自力で帰宅しなければなりません。事故や怪我が発生した場合は、自己責任となります。参加費用は比較的安価に設定されており、これは主催者がボランティアにより運営されているためです。

ブルベには多くの魅力がありますが、特に夜間や厳しい環境での走行、疲労との戦いを経験することができる点が人気です。これらの要素により、魅力的で刺激的な非日常的な体験が待っています。

ブルベの歴史

日本におけるブルベの歴史は1990年代に始まり、当初はマウンテンバイクによるイベントから派生してきました。1994年には、関東のサイクリストたちによって「ブルベ・ジャポン実行委員会」が設立され、日本初のブルベイベントが行われました。1995年からは、独自のルールに基づく「ルート・エヌ」と呼ばれるブルベが開催され、200km、300km、400kmのコースが設定されました。

その後、日本からの参加者が2001年にカナダのブルベに挑戦し、PBPへの道を切り開く役割を果たしました。そして、2002年には日本初の公式BRMが開催され、大きな成功を収めました。これにより、ブルベは日本国内でも広がりを見せ、現在では多くのサイクリストに愛されています。

日本国内では、オダックス・ジャパンが主催するブルベが中心となり、様々な大会が開催されています。また、シューペル・ランドネやAJ Permanentなどの新しいスタイルのブルベも登場しており、多様な選択肢が用意されています。

参加資格と規程

ブルベは多様性が求められ、安全確保のために一定の安全装備が必要です。特に400km以上のブルベでは、厳格な使用基準が設けられています。使用可能な自転車は、人力によるものであれば特に制約は無く、ロードバイクからランドナー、リカンベントまで様々なタイプでの参加が可能です。また、安全装備としては前照灯、尾灯、ベル、ヘルメット、反射ベストの着用が求められます。

参加者は各自の体力やペースに応じた自由な走行が許されており、新しい仲間を見つけながら、非日常的な体験を楽しむことができるイベントとして、多くの自転車愛好者から支持されています。ブルベはその楽しみ方次第で、自分自身の限界に挑戦するだけでなく、仲間との絆を深める場ともなっています。

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