ブルー・リッジ (揚陸指揮艦)

ブルー・リッジ（USS Blue Ridge, LCC-19）

ブルー・リッジはアメリカ海軍の揚陸指揮艦であり、ブルー・リッジ級の1番艦にあたります。この艦は、アメリカのブルーリッジ山脈に因んだ名前を持ち、過去には数艘の艦艇が同名で存在しました。現在、ブルー・リッジは横須賀港を母港とし、海軍第7艦隊の旗艦として位置付けられています。

設計と機能

この艦は、C4Iシステムの支援を目的としており、通信能力を最大限に引き出すために、甲板上の構造物は必要最低限に抑えられています。これにより、電波干渉を最小限に抑える設計がされています。また、ブルー・リッジは1970年11月14日にフィラデルフィア海軍造船所で就役し、アメリカ海軍の指揮統制機能を持つ艦艇としての役割を果たしています。この艦には、200名以上の士官と1,200名以上の兵員が居住できる設備が整っており、小さな町に匹敵する機能を有します。

艦歴

ブルー・リッジの初航海は1971年2月11日に行われ、その後はサンディエゴを母港として西太平洋に展開しました。1972年には、ベトナム戦争への関与があり、南ベトナム大統領を乗艦に迎えるなどの重要な役割も果たしました。戦闘行動章やベトナム戦役メダルなど、多くの勲章を獲得しました。

1975年には、サイゴン撤退においても功績を挙げ、重要な人員の脱出を遂行しました。1979年からは、横須賀を母港に定めて運用を続けています。今でも西太平洋及びインド洋での訓練に参加し、湾岸戦争では重要な役割を果たしました。

国際的な活動

この艦は、アジア太平洋地域の多くの国を訪問しています。日本、香港、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、オーストラリアなど多岐にわたる港に寄港しており、1989年と2004年には中国の上海にも訪れています。ロシアのウラジオストクにも何度か寄港しています。

2011年には、東北地方太平洋沖地震の際にシンガポールから急遽日本へ緊急援助物資を輸送する任務を実施しました。このようにブルー・リッジは国際的な協力活動も行っており、その活動範囲は広がり続けています。

兵装と航空

武装面では、ブルー・リッジは自衛のために必要最低限の武装を備えています。Mk.15 20mm CIWSなどを装備し、攻撃兵装は持たない設計になっています。ミサイル防御については、随伴する駆逐艦に依存しています。また、艦載ヘリコプターとしては、主にVIP輸送を行う特別仕様のSH-60Fを使用しています。

まとめ

ブルー・リッジは、アメリカ海軍の伝統と役割を象徴する艦艇として、今後も多くの任務を遂行し続けるでしょう。時間を経ても変わらぬその存在は、アメリカの海軍力と国際協力の象徴となっています。

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