ブレイク・イット・ダウン・アゲイン

ティアーズ・フォー・フィアーズの4枚目のオリジナル・スタジオ・アルバム『Elemental』（1993年）は、バンドにとって重要な転換期を示す作品となりました。前作『シーズ・オブ・ラヴ』から4年ぶりのリリースであり、カート・スミスの脱退後、ローランド・オーザバルが中心となって制作された最初のアルバムです。

オーザバルは、ツアーでサポート・ギタリストを務めていたアラン・グリフィスを新たなパートナーとして迎え、少人数でアルバム制作に取り組みました。従来のバンドらしい形態にこだわらず、楽曲制作が行われたのが大きな特徴です。

アルバムからは、「ブレイク・イット・ダウン・アゲイン」「コールド」「グッドナイト・ソング」「エレメンタル」がシングル・カットされました。これらの楽曲のプロモーション・ビデオには、アルバムに伴うツアー・メンバーが出演していますが、ローランドとアラン以外のメンバーは実際のレコーディングには参加していません。

『Elemental』は、ティアーズ・フォー・フィアーズの音楽性の新たな方向性を示すとともに、ローランド・オーザバルのソングライターとしての才能を改めて浮き彫りにした作品と言えるでしょう。バンドの進化と変化を感じさせる、重要なアルバムです。

収録曲は以下の通りです。

1. エレメンタル - "Elemental" – 5:30
2. コールド - "Cold" (Roland Orzabal) – 5:04
3. ブレイク・イット・ダウン・アゲイン - "Break It Down Again" – 4:31
4. 悲観論者 - "Mr. Pessimist" – 6:16
5. ベスト・フレンズ・ドッグ - "Dog's a Best Friend's Dog" – 3:38
6. 陸に上がった河童君 - "Fish out of Water" – 5:07
7. ガス・ジャイアント - "Gas Giants" – 2:40
8. パワー - "Power" - 5:50
9. ブライアン・ウイルソンの警告 - "Brian Wilson Said" – 4:22
10. グッドナイト・ソング - "Goodnight Song" – 3:53

参加ミュージシャン:

ローランド・オーザバル - ボーカル、インストゥルメンタル
アラン・グリフィス - インストゥルメンタル
ティム・パーマー - インストゥルメンタル
ガイ・プラット - ベース
ジョン・ベイカー - バッキング・ボーカル
ジュリアン・オーザバル - バッキング・ボーカル
マーク・オドノヒュー - ピアノ
ハワード・ジョーンズ - アコースティック・ピアノ (on #4アウトロ)
* ボブ・ラドウィック - マスタリング

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