シーズ・オブ・ラヴ

ティアーズ・フォー・フィアーズの3枚目のアルバム『シーズ・オブ・ラヴ』（The Seeds of Love）は、1989年に発表されました。アルバムタイトルは「愛の種」を意味します。

制作の背景と評価

本作は、100万ポンドもの巨額の費用を投じて制作された難産のアルバムとして知られています。レコーディングされたマスターテープの本数は99本にも及んだという逸話も残っています。しかし、その甲斐あって、ジャズ、ブルース、そしてビートルズに至るまで、幅広い音楽ジャンルを吸収した作品として高い評価を得ています。

シングルとCM起用

アルバムからの先行シングル「シーズ・オブ・ラヴ（Sowing the Seeds of Love）」は、全英シングルチャートで最高5位、アメリカのBillboard Hot 100では最高2位を記録する大ヒットとなりました。また、「ウーマン・イン・チェインズ」では、フィル・コリンズがドラムで参加し、オリータ・アダムスがローランド・オーザバルとデュエットしたことも話題を呼びました。その他、「アドヴァイス・フォー・ザ・ヤング・アット・ハート」、「フェイマス・ラスト・ワーズ」もシングルカットされています。

1993年には、日産・シルビア（S14型）のCMソングに本作に収録されている「シーズ・オブ・ラブ」が起用され、再び注目を集めました。

制作体制の変化

本作の制作中には、イアン・スタンリーとクリス・ヒューズが離脱するというアクシデントが発生しました。そのため、デイヴ・バスコムの協力を得ながら、バンド自身による初のセルフ・プロデュース作品となりました。

リマスター盤と未発表音源

1999年に発売されたリマスターCDには、シングルのB面曲が4曲ボーナストラックとして追加収録されました。さらに、2020年には「The Seeds of Love (Super Deluxe Edition)」が発売され、未発表音源が収録された他、リマスターと5.1サラウンドミックスが施されました。

収録曲

1. ウーマン・イン・チェインズ - "Woman in Chains"
2. バッドマンズ・ソング - "Badman's Song"
3. シーズ・オブ・ラヴ - "Sowing the Seeds of Love"
4. アドヴァイス・フォー・ザ・ヤング・アット・ハート - "Advice for the Young at Heart"
5. サード・ワールド - "Standing on the Corner of the Third World"
6. スウォーズ・アンド・ナイヴズ - "Swords and Knives"
7. イヤー・オブ・ザ・ナイフ - "Year of the Knife"
8. フェイマス・ラスト・ワーズ - "Famous Last Words"

1999年リマスター盤ボーナス・トラック

1. ティアーズ・ロール・ダウン - "Tears Roll Down"
2. オールウェイズ・イン・ザ・パスト - "Always in the Past"
3. ミュージック・フォー・テーブルズ - "Music for Tables"
4. ジョニー・パニック・アンド・ザ・バイブル・オブ・ドリームズ - "Johnny Panic and the Bible of Dreams"

参加ミュージシャン

ローランド・オーザバル - ボーカル、ギター、キーボード、フェアライト・プログラミング
カート・スミス - ボーカル、ベース

ゲスト・ミュージシャン

オリータ・アダムス - ボーカル、キーボード
イアン・スタンリー - キーボード
サイモン・クラーク - キーボード
ニッキー・ホランド - キーボード、バッキング・ボーカル
マヌ・カチェ - ドラムス
クリス・ヒューズ - ドラムス
フィル・コリンズ - ドラムス
サイモン・フィリップス - ドラムス
ピノ・パラディーノ - ベース
キャロル・スティール - パーカッション
ルイス・ジャーディム - パーカッション
ロビー・マッキントッシュ - ギター
ニール・テイラー - ギター
ランディ・ジェイコブス - ギター
ジョン・ハッセル - トランペット
ピーター・ホープ・エヴァンス - ハーモニカ
ケイト・セント・ジョン - サクソフォーン、オーボエ
テッサ・ナイルズ - バッキング・ボーカル
キャロル・ケニオン - バッキング・ボーカル
マギー・ライダー - バッキング・ボーカル
ドレット・マクドナルド - バッキング・ボーカル
アンディ・ケイン - バッキング・ボーカル

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