ブレゲ (時計)

ブレゲ（Breguet）

ブレゲは、1775年にアブラアン・ルイ・ブレゲによってフランス・パリで設立された高級時計メーカーです。その卓越した技術と美しいデザインから、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタン、A.ランゲ＆ゾーネと並び、世界五大時計ブランドの一角を占めています。

沿革

ブレゲが亡くなった後、彼の子息アントワーヌ＝ルイ・ブレゲとその孫ルイ＝クレマン・ブレゲが工房を引き継ぎました。しかし、ルイ＝クレマンは通信業界で成功を収め、1870年に自らの工房をエドワード・ブラウンというイギリスの時計師に売却しました。その後、ブラウン家は3代にわたってブレゲ工房を運営し、1970年にフランスの宝石細工商ショーメがその商標を取得、これをきっかけにブランドの復興が始まりました。

1976年には製造拠点をフランスからスイスのジュウ渓谷へ移し、ショーメの傘下にて生産が続けられました。後にはフランス資本のPPRがショーメを買収し、さらに1987年にPPRからサウジアラビア系の投資会社インベストコープに売却されました。この時期、レマニアとの関係が深まりました。

インベストコープは長期投資の意図がなかったため、LVMHやリシュモン、スウォッチグループへの売却を進めました。その結果、スウォッチが1999年にレマニアとブレゲを買収し、現在もスウォッチグループの一員として運営されています。スウォッチグループに入ってからは順調に業績を回復し、高級時計ブランドとしての地位を再築しました。

現在の取り組み

ブレゲの社長を兼任しているスウォッチ・グループ会長ニコラス・G・ハイエックは、アブラアン・ルイ・ブレゲが手掛けた複雑な時計の再現やシリコン製部品の開発など、新技術にも積極的に取り組んでいます。また、1993年よりエマニュエル・ブレゲがブレゲ家の遺産や資料の管理を行い、パリ・ヴァンドーム広場にあるブレゲ博物館の館長も務めています。

ブランドは過去の偉大な顧客、例えばナポレオン・ボナパルトを広告に利用し、「1798年にはブレゲの顧客であった」と謳っています。また、マリー・アントワネットのために作られた「マリー・アントワネットNo.160」も非常に有名です。

まとめ

ブレゲはその歴史的背景と革新性により、今日でも高級時計界での重要な存在としての地位を確立しています。時計愛好家にとって、ブレゲは単なる時間を計る道具ではなく、技術とアートの融合とも言えるでしょう。

もう一度検索