ブレンダ・ラッセル (アルバム)

ブレンダ・ラッセルのソロアーティストとしてのキャリアは、1979年7月25日に発表されたセルフタイトルのファーストアルバム『ブレンダ・ラッセル』から本格的にスタートしました。

この記念すべきソロデビュー作は、彼女が以前に夫であるブライアン・ラッセルと共に「ブライアン＆ブレンダ・ラッセル」名義で活動し発表したセカンドアルバム『Supersonic Lover』から数えて2年ぶりの新作となります。

アルバム制作のプロデューサーには、ファンクグループとして高名なルーファスのメンバーであるアンドレ・フィッシャーが迎えられました。フィッシャー氏は、ブライアン＆ブレンダ名義の前作にも深く関わっており、本作においてもその手腕を発揮しています。

レコーディングには、アンドレ・フィッシャーの他、豪華かつ多彩なミュージシャンが多数参加しました。ルーファスのロン・ストッカート（ギター）、ギタリストのトム・サビアーノ、そしてAORやジャズフュージョンシーンで活躍するシーウィンドのメンバー、ラリー・ウィリアムズ（キーボード、サックスなど）やジェリー・ヘイ（トランペット、ホーンアレンジなど）といった錚々たる顔ぶれが集結し、密度の高いセッションを通じて楽曲が形作られました。これらの実力派ミュージシャンたちの参加は、アルバムの音楽的な奥行きと洗練されたサウンドに大きく貢献しています。

オリジナルのアルバムは、当時A&Mレコードの傘下レーベルであったHorizon Recordsからリリースされました。しかし、アルバム発表から間もなくHorizon Recordsが閉鎖されるという事態が発生しました。このため、後年、本作が再発売される際には、親会社であるA&Mレコードから改めてリリースされることとなりました。

商業的な成果として、アルバムはアメリカのビルボードR&Bアルバムチャートにおいて、最高位20位を記録しました。これは、激戦区であった当時のR&Bシーンにおいて、新人のソロアーティストとしてはまずまずの成功と言え、ソロキャリアをスタートさせたブレンダ・ラッセルが一定の注目を集めていたことを示しています。

『ブレンダ・ラッセル』は、単なるソロキャリアの開始を告げる作品にとどまらず、アンドレ・フィッシャーという確かなプロデューサーのもと、多くの才能あふれるミュージシャンたちの参加を得て作り上げられた、音楽的に質の高いアルバムです。参加アーティストたちの音楽性が融合し生まれたサウンドは、その後のブレンダ・ラッセルのアーティストとしての方向性を示す重要な一歩となり、彼女の洗練された音楽スタイルを広く知らしめるきっかけとなりました。

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