ブレードランナー (アルバム)

ブレードランナー (Blade Runner)

『ブレードランナー』は、1982年に公開された同名の映画にインスパイアされたアルバムであり、1994年にヴァンゲリスによってリリースされました。このアルバムは初期の日本国内盤CDのオビにも「ブレードランナー・サウンドトラック」と記載されており、便宜的に映画のサウンドトラックとして位置づけられていますが、実際には劇中で使用された楽曲がそのまま収録されているわけではありません。楽曲は再編成やフェードイン・アウトの処理が施された状態で提供されています。

アルバムの制作

アルバム全体を通じて、シンセサイザー（特にヤマハ・CS-80）が使用されており、独特の音色と雰囲気を醸し出しています。映画のエンドクレジットでは「ポリドールからサウンドトラック発売」と示されていたものの、実際の発売は公開から数年後の1994年になりました。1982年には、ヴァンゲリス自身が監修したニュー・アメリカン・オーケストラによるアコースティックアレンジのアルバムが先にリリースされています。その中には映画で使用された楽曲が含まれましたが、オリジナル作品の完全な形でのリリースはありませんでした。

特に、映画音楽の作品については、ヴァンゲリスが自らのソロ作品と整合性を図ることに苦心したとされており、そのため約7年後、ようやくオリジナルのサウンドトラックが登場することとなったのです。2007年には、リマスター版や未収録曲を含む3枚組の『ブレードランナー』サウンドトラックがリリースされるなど、徐々に待望の形に近づいていきましたが、いまだ完全な収録は実現していません。これにより、いくつかの海賊盤が市場に出回ることとなります。

収録曲

『ブレードランナー』アルバムには、感情深い楽曲が揃っており、代表的なトラックには以下のようなものがあります。

• - メイン・タイトル - Main Titles (3:42)
• - ブラッシュ・レスポンス - Blush Response (5:47)
• - ウェイト・フォー・ミー - Wait for Me (5:27)
• - レイチェルズ・ソング - Rachael's Song (4:46)
• - 愛のテーマ - Love Theme (4:56)
• - ワン・モア・キッス - One More Kiss, Dear (3:58)
• - ブレード・ランナー・ブルース - Blade Runner Blues (8:53)
• - メモリーズ・オブ・グリーン - Memories of Green (5:05)
• - テイルズ・オブ・ザ・フューチャー - Tales of The Future (4:46)
• - ダマスク・ローズ - Damask Rose (2:32)
• - エンド・タイトルズ - Blade Runner (End Titles) (4:40)
• - ティアーズ・イン・レイン - Tears in Rain (3:00)

その中でも「エンド・タイトルズ」や「愛のテーマ」は特に多くのアーティストにカバーされており、ヴァンゲリスのベスト盤にも度々収録されています。エンド・タイトルズは全長バージョンが存在するものの、一般的なアルバムでは短縮版が収められがちです。実際、マーク・エイヤースによる15曲収録の英国盤『Blade Runner Synthesizer Soundtracks』では、完全なエンド・タイトルズが収録され、その人気と独特の魅力を改めて感じることができます。

結論

『ブレードランナー』アルバムは、映画音楽の枠を超えた芸術的な作品であり、聴く人に特別な感覚を与えてくれます。シンセサイザーによる美しい音楽は、多くのファンに深い感動を与えています。映画ファンだけでなく、多くの音楽愛好者にも愛され続けるこのアルバムは、まさに不朽の名作と言えるでしょう。

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