ヤマハ・CS-80

CS-80（シーエス80）

CS-80は、ヤマハが1977年に発表したシンセサイザーで、シンセサイザーの先駆け「GX-1」を元に設計されたコンボ型シンセサイザーシリーズの最上位機種です。しかし、GX-1はその重さや高価格から限られたミュージシャンのみが使用していたため、CSシリーズはそれを改善するために軽量化や価格の引き下げが図られました。CS-80は約76kgから100kgの重量で、価格は128万円と設定されています。

機能と性能

CS-80はGX-1の性能を受け継ぎながら、演奏性向上のためにリボン・コントローラーを装備し、よりインタラクティブに演奏を楽しむことができる工夫が施されています。また、このモデルは4種類の音色メモリーを扱うことができる唯一の機種であり、そのために補助操作パネルが別途設置されています。これにより、必要に応じて設定を呼び出しやすくなっています。

加えて、CS-80はシリーズの中で唯一、2つの音源（VCO）を同時に鳴らすことができる特性を持っています。この音源部は、チューニングが安定しないことが多いのですが、その不安定さによって得られる独特のモジュレーションやコーラス効果がCS-80ならではの特性となっており、ユーザーの心を惹きつけています。

主なユーザー

CS-80は、多くの著名なミュージシャンによって使用されており、その音色は様々な楽曲に彩りを加えています。

• - エディ・ジョブソン: 「U.K.」のアルバムや、彼のプロジェクト「エディ・ジョブソン&ズィンク」の楽曲でCS-80の特徴的な音を確認できます。
• - ドン・エイリー: レインボーのアルバム「アイ・サレンダー」などでその存在感を発揮しています。
• - ヴァンゲリス: 映画『ブレードランナー』のサウンドトラックを手掛けるなど、数多くの作品でCS-80を使用しています。
• - ポール・マッカートニー: ウイングスの作品でこのシンセサイザーが使用されています。
• - スティーヴ・ポーカロ: TOTOの楽曲で主な楽器として活躍しています。
• - 坂本龍一: 彼の作品でもCS-80の演奏が聴かれます。

また、リック・ウェイクマン、パトリック・モラーツ、リチャード・タンディなど、その他の多くの有名なミュージシャンもこのシンセサイザーを愛用していました。

まとめ

CS-80は、その独特な音色と機能性から、多くのアーティストに愛され続けているシンセサイザーです。ユーザーによって生み出されるサウンドは、その使用するシンセサイザーによってさらに洗練され、様々なジャンルの音楽に新たな次元をもたらしています。本機の特異な音色や演奏性は、多くの音楽ファンと音楽家に影響を与え、その存在感は今もなお色あせることがありません。

もう一度検索