ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像

ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像

ブレーメンのマルクト広場に面して建つ市庁舎と、広場の中央に立つローラント像は、ユネスコの世界遺産に登録されています。これらの建造物は、ブレーメンの歴史、文化、そして市民の自由と独立の精神を象徴するものとして、世界的に高い評価を受けています。

ブレーメン市庁舎

ブレーメン市庁舎は、自由ハンザ都市ブレーメンの参事会議長および市長が執務を行う場所であり、ヨーロッパにおけるブリック・ゴシック建築の最も重要な例証の一つとされています。その美しい外観と内部の装飾は、訪れる人々を魅了し続けています。

位置

市庁舎は、旧市街のマルクト広場に位置し、真正面にはローラント像が立っています。広場の周辺には、商業会議所、ブレーメン大聖堂、近代的な市議会、聖母教会などが建ち並び、歴史的な景観を形成しています。広場の西側には、ゲアハルト・マルクス作の「ブレーメンの音楽隊」像があり、観光客に人気のスポットとなっています。

歴史

旧市庁舎は1405年から1409年にかけて建設されました。その後、1595年から1612年にかけて建築家リュダー・フォン・ベントハイムによって改修され、広場を見渡す新しいファサードが作られました。このファサードは、ヴェーザー・ルネサンス様式で建てられ、ハンス・フレーデマン・デ・フリース、ヘンドリク・ホルツィウス、ヤコブ・フロリスといったオランダ・ルネサンスの巨匠たちの影響を受けています。1909年から1913年の間には、ミュンヘンの建築家ガブリエル・フォン・ザイドルによって、建物後部にネオルネサンス様式での追加が行われました。

第二次世界大戦中、ブレーメン市は爆撃によって大きな被害を受けましたが、市民たちは市庁舎の外壁を囲いで覆い、戦火から守り抜きました。市庁舎は何度も改修されており、最新の改修は2003年に行われました。

観光の見所

ブレーマー・ラーツケラー: 市庁舎地下にある酒場で、1653年に作られたドイツ最古のワイン樽貯蔵庫があります。400種類を超えるワインが用意されています。
上院会議場:
金の小部屋: 1595年に上院会議場に付け加えられ、1905年に画家ハインリヒ・フォゲラーによって改装されたアール・ヌーヴォー様式の小さな会議室です。
大宴会場:
下院会議場: 建造当時の姿をとどめており、上院会議場と対照的に素朴な様相を呈しています。かつては香辛料や衣料といった高級品を扱う取引場としても機能していました。

重要なイベント

ブレーマー・シャッファーマール: 毎年行われる伝統的な宴会です。

ローラント像

1404年に立てられたローラント像は、ブレーメンの自治都市としての尊厳を象徴するものです。マルクト広場に立つローラント像は、中世文学『ローランの歌』に登場する英雄ローラントを象った巨大な立像です。ブレーメン市内には4体のローラント像がありますが、ブレーメン大聖堂に面してマルクト広場中央に立っている像が最もよく知られています。

歴史

最も古いローラント像は1340-50年代に建立された木像でしたが、当時のブレーメン大司教の手によって1366年に放火され消失しました。その後、1404年に石造で再建されました。

ブレーメンの象徴とされたローラント像は、度々倒壊の危機に見舞われましたが、その度に市民の手によって守り続けられました。第二次世界大戦時には、市民の手によって築かれた煉瓦製のシェルターによって保護されていました。

言い伝えでは、この像がブレーメンを見守り続ける限り、その自由と独立は守られるとされています。そのため、市庁舎の地下には、オリジナルが倒壊したときのために第二のローラント像が秘匿されているという噂もあります。

登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たしています。

(iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠である。
(iv) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例である。
* (vi) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するものである。

ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像は、ブレーメンの歴史と文化を物語る貴重な遺産であり、訪れる人々に深い感銘を与え続けています。

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