ブロックバスター (企業)

ブロックバスターの盛衰

ブロックバスター（Blockbuster LLC）は、かつてアメリカ合衆国に本拠を置いていたビデオ・DVDのレンタルチェーン店です。最盛期には世界中に9,000店舗以上を展開し、6万人以上の従業員を抱える巨大企業でした。店舗型レンタルに加え、宅配サービスやストリーミング配信、映画館運営など多角的な事業展開を行っていました。

概要

ブロックバスターは、アメリカを中心に約3,000店舗を展開し、ビデオ・DVDレンタル市場を牽引していました。しかし、2000年代後半から経営が悪化し、2010年9月に連邦倒産法第11章を申請、倒産に至ります。ストリーミング配信サービスの普及により、店舗型レンタルの需要が減少し、2014年1月12日にはアメリカ国内の直営店が全て閉鎖されました。その後、フランチャイズ店舗も徐々に閉店し、2018年にはアラスカ州の2店舗が閉店。現在ではオレゴン州ベンドの1店舗のみが営業を続けている状況です。

倒産の経緯

ブロックバスターの倒産は、NetflixやHulu、Amazon Unboxといったインターネット動画配信サービスの台頭が大きな要因です。スマートフォン向けのアグリゲーターアプリの普及も、店舗型レンタルの需要を低下させました。2000年には、当時ネットレンタル事業がメインだったNetflixが、ブロックバスターに5000万ドルでの買収を提案しましたが、ブロックバスター側が拒否したという経緯があります。この判断の誤りが、その後の経営悪化を招いたとも言えるでしょう。顧客ニーズの変化に対応できず、オンライン注文やメールオーダーへの転換が遅れた結果、2010年にはブロックバスターとハリウッドビデオという業界大手2社が相次いで倒産することとなりました。

各国での運営

ブロックバスターは、アメリカ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、イギリス、日本、香港、イスラエル、ブラジル、ペルーなど、世界各国で事業を展開していました。各国での運営状況は以下の通りです。

カナダ

カナダでは比較的安定した経営を続けていましたが、2009年に携帯電話販売会社と提携するなど事業の多角化を図りました。しかし、2010年に破産管財人の管理下に入り、146店舗を閉鎖。その後、売却先が見つからず、2011年末に全ての店舗を閉鎖しました。

ブラジル

ブラジルでは、2007年1月時点で127店舗を展開していましたが、その後、アメリカナスに買収されています。

日本

日本では、実業家の藤田田が主宰する藤田商店が1991年にフランチャイズ契約を結び、日本法人「日本ブロックバスター株式会社」を設立しました。関東を中心に店舗を展開していましたが、1999年にゲオに事業譲渡。これにより、日本国内のブロックバスター店舗は全てゲオに転換され、ブロックバスターは日本市場から撤退しました。

脚注

[出典]

関連項目

フリー・ブロックバスター ‐ ビデオ愛好家（元従業員など）のビデオ貸し出しと回収ボックス。
アメリカ合衆国における小売業の衰退

外部リンク

米Blockbuster公式ウェブサイト（英語）
フランチャイジーが所有するオープン米国の店舗の地図

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