ブロンド・レッドヘッド

ブロンド・レッドヘッド：実験精神が生んだ独自のサウンド

ブロンド・レッドヘッドは、アメリカ合衆国ニューヨークを本拠地とするロックバンドです。このユニークなトリオは、日本人女性ボーカリスト兼ギタリストのカズ・マキノと、イタリア生まれの双子であるアメデオ・パーチェ（ギター、ボーカル）とシモーネ・パーチェ（ドラムス）によって構成されています。バンド名の由来は、ニューヨークの著名なノー・ウェイヴ・バンド、DNAの楽曲名から取られています。

結成と初期の道のり

バンドは1993年にその歩みを始めました。当初は4人組として活動していましたが、程なくしてメンバー構成に変化が見られます。1995年には、ソニック・ユースのドラマーとして知られるスティーヴ・シェリーが主宰するレーベル、スメルズ・ライク・レコードから、立て続けに2枚のアルバムを発表しました。特にデビューアルバムのプロデュースはシェリー自身が手掛けています。初期には日本人ベーシストのマキ・タカハシが在籍していましたが脱退し、その後トーコ・ヤスダが一時的に参加したものの、彼女もすぐにバンドを離れました。これにより、バンドは現在の核となる3人組体制へと移行し、この編成で活動を継続しています。

レーベルを渡り歩き、独自の音世界を深化

スメルズ・ライク・レコードでの活動の後、バンドはシカゴの有力インディーレーベル、タッチ・アンド・ゴー・レコードへ移籍します。ここでは1997年から2000年にかけて、『Fake Can Be Just as Good』、『In an Expression of the Inexpressible』、『Melody of Certain Damaged Lemons』という3枚のアルバムを発表し、その評価を確固たるものにしました。特に『In an Expression of the Inexpressible』から2004年に4ADからリリースされた6thアルバム『Misery Is a Butterfly』にかけては、伝説的なバンド、フガジのギー・ピチョットがプロデュースを担当し、バンドのサウンドはさらなる深みを増しました。『Misery Is a Butterfly』は全米アルバムチャートで180位を記録しています。

評価の高まりと成功

バンドは一貫して実験的な音楽性を追求し、インディー・ロックシーンにおいて着実に支持層を広げていきました。その人気の高まりを示すのが、2007年に4ADからリリースされた7thアルバム『23』です。このアルバムは発売初週に1万1千枚以上のセールスを記録し、全米総合アルバムチャートBillboard 200で初登場63位という、バンドにとって最も高い順位を獲得しました。

また、このアルバムのタイトルトラック「23」は、日本においてミネラルウォーター「クリスタルガイザー」の2008年キャンペーンソングとして起用され、広く知られるきっかけとなりました。

現在の活動

その後もバンドは精力的に活動を続け、2010年には『Penny Sparkle』（全米79位）、2014年には『Barragán』といったアルバムをリリース。そして、2023年には最新作となる『Sit Down for Dinner』を発表するなど、現在もその独自の音楽世界を追求し続けています。ブロンド・レッドヘッドは、変化を恐れず、常に新しいサウンドを探求する姿勢で、世界中の音楽ファンを魅了し続けているのです。

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