ブーガルー

ブーガルーとは：R&Bとラテン[[音楽]]の融合

ブーガルー（Boogaloo, Bugalu）は、1965年から1970年ごろにかけて、主にニューヨークで流行したラテン[[音楽]]の一種です。リズム・アンド・ブルース（R&B）やソウルなどのアメリカのブラック・ミュージックと、キューバやカリブ海のラテン[[音楽]]が混合されたサウンドが特徴です。

音楽的特徴

ブーガルーは、以下の要素から構成されています。

楽器: ティンバレス、コンガ、ボンゴなどのパーカッションに加え、ピアノ、ベース、トランペットなどの管楽器が用いられます。エレキギターが加わることもあります。
歌詞: 英語で歌われることが多いですが、スペイン語の楽曲も存在します。
和音: 2コードまたは3コードの繰り返しを多用した、明るいパーティーミュージック的な楽曲が多い一方、ヘヴィなサウンドの作品もあります。

また、シンガリンと呼ばれる一群のサウンドも、R&Bの影響が濃いラテン[[音楽]]として、ブーガルーと同一視されることがあります。当時の演奏レベルは、必ずしも高くはありませんでした。

歴史

1960年代、黒人はブルースやドゥーワップ、R&Bを聴き、ラテン系市民はマンボやチャチャチャなどのラテン[[音楽]]を好んでいました。これらの音楽が融合する形でブーガルーが誕生しました。

ブーガルーの代表的なミュージシャンとしては、ピート・ロドリゲスやジョー・バターンらが挙げられます。しかし、ブーガルーがアメリカの黒人音楽の影響を強く受けたことへの反動や、公民権運動、ブラック・ナショナリズムの影響から、1970年代以降はキューバ音楽の伝統に近いサルサが隆盛しました。サルサは、カリブ海やラテンアメリカの民族としてのアイデンティティを打ち出す意味合いも持っていました。

そのため、ブーガルーは「一過性の流行」と見なされることもありました。ティト・プエンテは、メディアに対しブーガルーを嫌悪する発言をしています。しかし、ブーガルーのムーブメントから、ウィリー・コロンやルベン・ブラデスといった次世代のアーティストが誕生したことも事実です。彼らが初期にブーガルーを演奏していたことは、その証左と言えるでしょう。また、ブーガルーの持つ多様性が、1970年代のニューヨーク・サルサに受け継がれ、その後のサルサの発展に貢献したことは間違いありません。

21世紀の動向

クラブカルチャーにおけるブーガルー再評価の流れの中で、1970年代中盤のラテン・ファンクやラテン・ジャズ、黒人ファンクの一部までをブーガルーとして捉える動きがあり、コンピレーションアルバムも複数リリースされています。また、アメリカでブーガルーが衰退した後も、南米コロンビアではサルサ的な要素の強いブーガルーが演奏され続けています。ピート・ロドリゲスの楽曲「アイ・ライク・イット・ライク・ザット」は、映画のサウンドトラックにも使用されました。

ヨーロッパの若手クラブミュージシャンによるブーガルー再評価の動きもあり、今後ブーガルーの歴史的評価は高まる可能性があります。

代表的なアーティストとアルバム

ジョー・バターン「Subway Joe」 1968年
ジョー・キューバ「My Man Speedy!」 1967年
レブロン・ブラザーズ「Psychedelic Goes Latin」 1967年
ピート・ロドリゲス「I Like It Like That」 1966年
レイ・バレット「Acid」 1967年
リチャード・レイ「Jala Jala Y Boogaloo」 1967年
The Harvey Averne Dozen, Viva Soul! (Atlantic, 1968)
Ray Barretto, Viva Watusi! (UA Latino, 1965)
Joe Bataan, Gypsy Woman (Fania, 1967)
ウィリー・ボボ, Uno, dos, tres (Verve, 1966)
Johnny Colón, Boogaloo Blues (Fania, 1967)
Willie Colón, El Malo (Fania, 1967)
Joe Cuba Sextet, Bang! Bang! & Push, push, push (Tico, 1967)
El Gran Combo, Boogaloos (Gema, 1967)
Ray Lugo & The Boogaloo Destroyers, ¡Que Chevere! (Freestyle, 2014)
Joey Pastrana, Let's ball (Cotique, 1967)
Pucho and His Latin Soul Brothers, The Best of Pucho and the Latin Soul Brothers (Ace, 1966–1970)
Ricardo Ray, Se soltó (On the loose) (Tico, 1966)

関連項目

サルサ

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