ブータンの行政区画

ブータンは、国土が20のゾンカク（Dzongkhag、県）と呼ばれる行政区画に分割されています。各ゾンカクの中心には、その県の県庁が置かれ、その多くはゾン（Dzong）と呼ばれる特徴的な城砦建築の中に設置されています。このゾンは、単なる行政の中心地というだけでなく、司法機関や僧院も併設されており、聖俗両面の重要な拠点として機能しています。

ゾンカクの下には、さらに細分化された行政区画として205のゲオ（Gewog、郡）が存在します。これらのゲオは、より地域に密着した行政サービスを提供し、住民生活の基盤を支える役割を担っています。ただし、首都ティンプーのような人口が集中している地域では、ゲオとは異なる独立した行政区分としてトムデ（Thromde）が設置されています。トムデは、都市部の特殊な行政ニーズに対応するために設けられた、より都市化された地域を管轄する行政区画です。

さらに、複数のゲオをまとめたドゥンカク（Dungkag）と呼ばれる区分も存在しますが、これは行政区画というよりも、主に司法区として機能しています。また、ゲオの下位にはチオ（Chiwog）と呼ばれる単位がありますが、これは行政区画というよりは選挙区としての役割が主です。これらの区分は、ブータンの複雑な行政システムを構成する要素であり、各地域の実情に応じて適切な行政サービスを提供するための枠組みとなっています。

これらの行政区画に関する統計データは、GeoHive.comを参考にしています。特に、人口データは投影人口であり、面積データは2006年に実施された北部の中華人民共和国との新たな国境画定によって変更された後の数値が用いられています。

ブータンの行政区画は、歴史的背景や地域特性を反映して複雑に構成されており、中央政府と地方政府が連携して、住民の生活を支えるための制度が整備されています。

補足

ゾン：ブータンの特徴的な建築様式であり、行政、司法、宗教の中心地として機能する。
ゾンカク：県を意味する。ブータン全土で20の県が存在する。
ゲオ：郡を意味する。県の下位に位置し、地域行政を担う。
トムデ：都市部の人口集中地域に設置される特別な行政区分。
ドゥンカク：複数のゲオをまとめた区分で、司法区として機能する。
チオ：ゲオの下位に位置する単位で、選挙区としての役割を持つ。

関連情報

ゾン)
ISO 3166-2:BT
* ブータン地方政府法 (2009)

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