ブーヤン型コルベット

ブーヤン型コルベットとその発展型

ブーヤン型コルベット（NATOコードネーム）は、ロシア海軍の21630型小型砲艦として知られています。この艦級は、ソビエト連邦崩壊後のカスピ海における石油開発の活発化に伴い、同海域を管轄するカスピ小艦隊の重要性が増大したことを背景に建造されました。

設計思想

ブーヤン型コルベットは、カスピ海での沿海域作戦、水産資源保護、排他的経済水域警備を主な目的としています。ステルス性を重視した設計が特徴で、船体には繊維強化プラスチックが採用されています。これにより、レーダー反射面積を低減し、敵からの探知を困難にしています。

主要な特徴

• - ブーヤン型（21630型）

- 主機関：ズヴェズダM520ディーゼルエンジン2基
- 主砲：A-190 100mm単装速射砲
- 対地ロケット：A-215「グラートM」 40連装122mmロケット砲（BM-21の艦載化版、320発搭載）

• - ブーヤンM型（21631型）

- 主機関：CODAD方式
- 主砲：A-190 100mm単装速射砲
- ミサイル：カリブルNK巡航ミサイル用8セルVLS

ブーヤン型の特徴は、対地火力投射能力を重視している点です。21630型では、地上軍用のBM-21を基にしたロケット砲システムが搭載され、広範囲への面制圧が可能です。一方、ブーヤンM型では、VLS（垂直発射装置）にカリブルNK巡航ミサイルが搭載されており、強力な対地・対水上・対潜打撃力を備えています。このミサイルは、2015年10月のシリアに対する巡航ミサイル攻撃で実戦投入され、その威力が示されました。

運用

ブーヤン型コルベットは、カスピ海の沿岸警備や水産資源の保護活動に加えて、対地攻撃能力を活かした作戦にも投入されています。発展型であるブーヤンM型は、より高度な対地・対水上攻撃能力を付与され、遠距離からの精密攻撃を可能にするなど、より広範な作戦に対応できる能力を備えています。

まとめ

ブーヤン型コルベットは、ロシア海軍における沿岸防御の要となる艦艇です。ステルス性と強力な火力を兼ね備え、カスピ海におけるロシアのプレゼンスを強化する重要な役割を担っています。また、ブーヤンM型は巡航ミサイルの搭載により、より戦略的な任務にも対応可能となりました。これらの艦艇は、カスピ海域だけでなく、ロシアの軍事作戦において重要な役割を果たしています。

参考文献

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、ブーヤン型コルベットに関するカテゴリがあります。

ウィキメディア・コモンズには、ブーヤンM型コルベットに関するカテゴリがあります。

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