プウ・フルフル (ハワイ州道200号線)

プウ・フルフル：ハワイ島の緑のオアシス

ハワイ島、マウナケア山とマウナロア山の間に広がる溶岩台地。その荒涼とした景色の中に、鮮やかな緑の丘がひときわ存在感を放っています。それがプウ・フルフル（Pu'u Huluhulu）です。ハワイ語で「毛深い丘」を意味するこの名前は、丘全体を覆う豊かな植生に由来しています。

プウ・フルフルは、ハワイ州道200号線（旧サドルロード）のすぐ脇に位置しています。標高約2,021mのこの道路は、マウナケア山頂へのアクセス道路でもあります。道路の最高地点付近に位置するプウ・フルフルは、周囲の溶岩流によって形成された荒野とは対照的な、緑豊かなオアシスと言えるでしょう。

この丘の特異性は、周囲を覆う溶岩流に飲み込まれずに、豊かな植生を維持している点にあります。このような、溶岩流の中でも生き残った地形は、ハワイ語で「キプカ」と呼ばれています。プウ・フルフルは、まさにそのキプカの代表的な例と言えるでしょう。コアなどのハワイ固有の植物が生い茂り、まさに自然公園のような様相を呈しています。

プウ・フルフルは、ハワイの人々にとって特別な場所でもあります。ハワイの文化や歴史と深く結びついた聖地として、大切に守られています。道路を挟んで反対側には、マウナケア山頂にある数々の天文台へのアクセス道路があり、その対比が興味深い光景を作り出しています。

なお、プウ・フルフルという名前の小丘は、ハワイ島には他にも存在します。例えば、ハワイ火山国立公園内のキラウエア火山にあるナパウ・トレイル上にも同名の小丘があります。しかし、州道200号線沿いにあるこのプウ・フルフルは、その規模と位置から、特に有名で、多くの人々の注目を集めています。

2019年7月～8月には、このプウ・フルフルが、重要な出来事の舞台となりました。マウナケア山頂に建設予定だった30メートル望遠鏡計画に対し、ハワイの先住民たちが強い反対運動を展開しました。マウナケアはハワイの人々にとって聖地であり、その冒涜にあたるとして、建設反対を訴えたのです。この運動は、プウ・フルフルの前やマウナケア・アクセス道路で行われ、結果的に建設計画は中断されました。

プウ・フルフルは、自然の驚異とハワイ文化の深み、そして現代社会の葛藤が交錯する象徴的な場所と言えるでしょう。緑豊かな丘は、静かにその歴史と未来を見つめ続けています。この場所を訪れる際には、その歴史と文化的な意義を理解し、自然環境への配慮を忘れずに訪れたいものです。

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