プラスティック・オノ・バンド

プラスティック・オノ・バンド：ジョンとヨーコの実験的音楽ユニット

プラスティック・オノ・バンドは、1969年から1975年にかけてジョン・レノンがオノ・ヨーコと共に音楽活動を行う際に使用したバンド名、およびその総称です。レノンの死後、オノは「ヨーコ・オノ・プラスティック・オノ・バンド」として活動を再開しました。

バンドのコンセプト

このバンドの最大の特徴は、そのコンセプトにあります。「実在しない概念的なバンド」「固定メンバーがいない」「観客もバンドのメンバー」というレノンの構想に基づき、レコーディングや公演のたびに様々なミュージシャンが参加し、バンド名も変化しました。このユニークな発想は、音楽史においても特筆すべき点と言えるでしょう。

バンド名の由来は、オノがスタジオで使用していたプラスティック製のスタンドにちなんでレノンが名付けたというエピソードも興味深いものです。

誕生と初期の活動

1969年、ビートルズの「ゲット・バック・セッション」後、レノンはソロ活動を開始。オノとの結婚後、「平和のためのベッド・イン」などの平和活動を展開し、その動向はメディアによって大きく報道されました。

5月には、ハリスンがプレストンと行ったジャム・セッションの音源にレノンとオノが参加し、「プラスティック・オノ・バンド」名義で初の楽曲「Jam Peace」が制作されました。その後、「平和を我等に」や「ヨーコの心」といった楽曲が発表され、シングル・チャートで上位にランクインするなど、注目を集めました。

9月には、エリック・クラプトンらと共にトロントで開催された「ロックン・ロール・リバイバル・コンサート」に出演。その後も、「コールド・ターキー」や「京子ちゃん心配しないで」といった楽曲をリリースしました。

多様な活動と変遷

1969年12月には、ユニセフ主催の公演に出演するため、クラプトンやハリスンらが参加。「プラスティック・オノ・スーパー・グループ」として演奏し、その模様はアルバムにも収録されました。また、世界各地で平和を訴えるメッセージを発信するなど、音楽活動にとどまらない活動を展開しました。

1970年には、「インスタント・カーマ」がヒット。同年、アルバム『ジョンの魂』『ヨーコの心』を同時期に発表しました。その後も、「パワー・トゥ・ザ・ピープル」などの楽曲を制作し、精力的に活動を続けました。

1971年には、フランク・ザッパ＆ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションの公演にゲスト出演。同年、活動拠点をアメリカに移し、『イマジン』『フライ』といったアルバムを発表しました。

活動の停滞と再開

1973年、レノンとオノは一時的に別居。レノンは「ジョン・レノン／ザ・プラスティック・ユー・エフ・オノ・バンド」名義でアルバムを発表しました。その後、オノとの関係を修復し、1975年に音楽活動を一時停止しました。

レノンの死後、オノは2009年に「ヨーコ・オノ・プラスティック・オノ・バンド」として音楽活動を再開。ショーン・レノンらと共にアルバムを制作し、ライブ活動も行っています。

プラスティック・オノ・バンドの意義

プラスティック・オノ・バンドは、単なるバンドという枠を超え、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの芸術表現、平和へのメッセージを伝えるための重要な手段でした。固定メンバーを持たないという革新的なスタイルは、音楽の可能性を広げ、後世のアーティストに大きな影響を与えました。彼らの音楽は、今もなお、世界中の人々に感動を与え続けています。

主な参加メンバー

ジョン・レノン
オノ・ヨーコ
エリック・クラプトン
ジョージ・ハリスン
リンゴ・スター
クラウス・フォアマン
アラン・ホワイト
ジム・ケルトナー
ジム・ゴードン
ビリー・プレストン
ショーン・レノン

主要作品

アルバム

ジョンの魂 (1970)
ヨーコの心 (1970)
イマジン (1971)
フライ (1971)
サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ (1972)
ビトウィーン・マイ・ヘッド・アンド・ザ・スカイ (2009)
地獄の果てまで連れてって (2013)

シングル

平和を我等に (1969)
コールド・ターキー (1969)
インスタント・カーマ (1970)
パワー・トゥ・ザ・ピープル (1971)
イマジン (1971)
ハッピー・クリスマス (戦争は終った) (1971)

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