プラセオジムの同位体

プラセオジムの同位体

プラセオジム（Pr）は、希土類元素の一つであり、多くの同位体を持つことが知られています。自然界に存在する同位体の中で唯一安定しているのが141Prです。それ以外の同位体は全て放射性であり、38種類が確認されています。放射性同位体の中で、最も長い半減期を持つのは143Prで、これは約13.57日です。また、142Prの半減期は19.12時間となっており、これらの同位体は比較的安定と言えます。

短い半減期を持つ同位体

他の放射性同位体は、ほとんどが短期間で崩壊するため、非常に不安定です。多くの同位体は5.985時間以内で崩壊し、特にその大半はわずか33秒以内で崩壊します。これにより、自然界での存在は非常に限定的です。

核異性体について

プラセオジムには、6種類の核異性体も存在しています。その中でも、安定性が高いのは138mPr、142mPr、134mPrの3つです。138mPrの半減期は約2.12時間、142mPrは14.6分、134mPrは11分と、いずれも比較的短期間で崩壊します。これらの核異性体の性質は、プラセオジムの物理化学的特性を理解する上で重要です。

同位体の崩壊

141Prは、より軽い同位体が電子捕獲を経てセリウム（Ce）に、より重い同位体がベータ崩壊によってネオジム（Nd）に変わるという特性を有しています。このため、プラセオジムの同位体は核化学や物理学において重要な役割を果たします。

標準原子量

プラセオジムの同位体の原子量は、120.955から158.955の範囲で変動しますが、標準的な原子量は140.90765(2) uと定められています。この値は、プラセオジムの同位体の位置づけと特性を示す重要な情報源です。

参考文献

以下の資料が、プラセオジムに関する同位体情報を詳しく述べています：

• - G. Audi, A.H. Wapstra, C. Thibaultによる「Ame2003 Atomic Mass Evaluation」
• - IUPACによる「Atomic weights of the elements」
• - David R. Lide編の「CRC Handbook of Chemistry and Physics」

プラセオジムの同位体は、その多様な特性や短い半減期を有しているため、放射線の利用や研究において重要な資源とされています。

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