セリウム

セリウム (Ce)

セリウムとは、原子番号58を持つ元素で、元素記号はCeです。この元素は銀白色で柔らかく、延性に富む金属であり、空気中では容易に酸化される性質を持っています。セリウムは希土類元素の中でも最も地殻に豊富に存在し、その濃度は地殻の約0.046%を占めています。主にモナザイトやバストネサイトといった鉱物中に見られ、これらは商業的にも重要な資源として利用されています。

名称の由来

セリウムの名称は、準惑星ケレスに由来しています。これは発見当時のセレス（Ceres）の名前に関連しています。1835年、スウェーデンの科学者たちが、ケレス星にちなんでこの元素に名前を付けました。

歴史

セリウムは、1803年にスウェーデンのイェンス・ベルセリウスとウィルヘルム・ヒージンガーによって発見され、その後、ドイツのマルティン・ハインリヒ・クラプロートが同じ鉱山で新たな元素を見つけたことから、名称を巡って争奪戦が起きました。その結果、「セリウム」という名称が最終的に定着しました。

特徴

[セリウム]]は灰色がかった銀白色の金属で、常温での結晶構造は面心立方格子構造をしていますが、730 ℃以上では体心立方格子構造になります。特徴的な点は、比重が6.77、融点が約804 ℃、沸点が3470 ℃と融点と沸点の差が大きいことです。空気中では速やかに酸化し、酸化[[セリウム]を生成します。水分とはゆっくり反応し、酸とは容易に反応します。

化学的性質

[セリウム]]は非常に反応性が高く、冷水においてはゆっくりと、熱水では速やかに水酸化セリウム]を生成します。すべてのハロゲンとは活発に反応し、ハロゲン化物を生成することが知られています。加えて、酸化[[セリウムは多くの化合物の製造に利用されています。

用途

セリウムの化合物は多様な分野で利用されています。たとえば、研磨剤や酸化剤として重要であり、特に酸化セリウムはガラス研磨や電子部品の研磨に不可欠です。加えて、紫外線吸収剤としても広く使用されており、サングラスや化粧品に活用されています。触媒や医薬品の分野でも利用され、エンジンの排ガス処理に役立つ三元触媒にも用いられています。また、合[[金]]添加剤としても利用され、航空機やステンレス鋼の強度向上に寄与しています。

産出

セリウムは中国、アメリカ、旧ソ連、インドで広く産出されていますが、中でも中国が約90%を占めています。資源としては、バストネサイトやモナザイトが主要な鉱物となっています。

製造方法

セリウムは、バストネサイトを酸化・粉砕することにより製造されます。また、溶融電解や金属カルシウムを用いた還元法が一般的な方法です。工業的には、セリウムを含む合[[金]]や化合物もさまざまな用途に応じて利用されています。

セリウムは、その多様な性質と用途から、現代産業において欠かせない元素となっています。

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