プラチャンダ・パス

プラチャンダ・パトの概要

プラチャンダ・パト（Prachanda Path）は、ネパール共産党毛沢東主義派の基本的なイデオロギーラインを示す概念であり、その名称は指導者のプラチャンダに由来しています。この理念は、マルクス主義、レーニン主義、毛沢東主義を基礎としており、特にそれらの発展形であると位置づけられます。具体的には、「マルクス主義-レーニン主義-毛沢東主義-プラチャンダ・パト」というフレーズで表現されることがあります。

このイデオロギーは2001年2月にインド・パンジャブ州で開催された第2回党総会で公式に採択されました。プラチャンダ・パトの形成には、部分的にペルー共産党の思想であるセンデロ・ルミノソ（輝ける道）からの影響が見られます。このペルー共産党の理念は「マルクス主義-レーニン主義-毛沢東主義-ゴンザロ思想」という枠組みで普及しており、プラチャンダ・パトとは異なる面を持ちます。

理論的基盤

プラチャンダ・パトは、毛沢東主義の理論、特に「農村から都市部を包囲する」という戦略には限界があると認識しています。そのため、従来の人民戦争の継続に加え、都市部での大衆武装蜂起の必要を唱えているのが特徴です。さらに、幅広い勢力を結集する統一戦線の形成が重要視され、新たな憲法を制定するための暫定政府の設立が提案されています。

歴史的背景

2006年には、ネパールでの民主化運動が進行しました。この運動では、7党連合と呼ばれるグループが結集し、都市において激しい抗議行動を展開しました。この過程で国王の権限が実質的に削減され、制憲議会が設立されるに至ります。このような動きは、プラチャンダ・パトの理念と多くの点で一致している部分が見受けられます。

しかしながら、武装闘争の路線から議会制民主主義へとシフトすることは、一種の路線変更としても考えられます。これは、プラチャンダ・パトが必ずしも単一の方針に縛られてはいないことを示唆しています。

統一毛沢東主義派の成立

2009年1月には、毛派とネパール共産党統一センター・マサル派との合併により、ネパール共産党統一毛沢東主義派が誕生しました。この時点で、プラチャンダ・パトは公式な路線としては放棄されました。

まとめ

プラチャンダ・パトは、ネパールの政治社会の中で重要な役割を果たし、特に民主化運動においてその影響を示しました。しかし、時代とともにその位置づけや実践は変化しており、現在では新たな路線が模索されています。プラチャンダ・パトは、ネパールにおける共産主義の動向を考える上で、今なお重要な考え方の一つとなっています。

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