センデロ・ルミノソ

センデロ・ルミノソ（Sendero Luminoso）についての考察

センデロ・ルミノソ、直訳すると「輝ける道」となるこの名称は、ペルーの極左ゲリラ組織を指します。正式には「ペルー共産党」とも知られ、1940年代にさかのぼる一連の政治的な動きから誕生しました。特にこの組織が持つ特徴の一つとして、毛沢東主義に基づいた過激な革命理論が挙げられます。

組織の成立背景

この組織は1970年に、ペルー共産党の一派から独立して設立されました。創設者アビマエル・グスマンは、毛沢東思想を基に「農村が都市を包囲する」という戦略を掲げて、活動を本格化させました。彼らは当初、アヤクーチョ県を拠点にし、政府の目が届かない山岳地帯で活動を展開しました。特に、教育機関に浸透し、地域住民を参加させることに成功しました。

初期の活動と影響

センデロ・ルミノソは1980年代初頭から武装闘争を開始し、選挙ボイコットや投票箱破壊などで存在感をアピールしました。この時期、無差別な銃撃や拉致犯罪を執拗に行い、恐怖による支配を拡大しましたが、政府は戒厳令を公布し、やがて軍を導入しました。彼らは次第に山間部から逃れ、コカの葉を生産する小農民との連携を強化し、経済的にも自立を図るようになります。この時期には、なんとペルーの国土の約3分の1を支配下に置いたという報告もあります。

都市部への進出とさらなる過激化

1980年代中頃より、センデロ・ルミノソは都市部にも進出し、リマなどの都市でテロ活動を強化しました。この頃からアビマエル・グスマンの指導のもと、組織は反修正主義の立場に立ち、他の左翼活動家や共産圏出身者にも攻撃を加えました。特に1987年から1988年にかけては、労働組合やスラム街への浸透が目立ち、従わない者に対しては残酷な制裁が加えられました。

この動きに伴い、政府は対抗策を講じ始め、軍事行動が激化。しかし、センデロの暴力的な弾圧と恐怖政治のため、農村部では多くの死傷者が発生し、内戦は深刻なものとなりました。

フジモリ政権下での動き

1990年代に入ると、アルベルト・フジモリ大統領が政権を担い、彼の強権的な政策がセンデロ・ルミノソの活動に大きな影響を及ぼしました。数回にわたり論争を呼ぶ暗殺事件や爆弾攻撃が行われ、国際的にも注目されることになります。1992年には、組織の中心人物であるアビマエル・グスマンが逮捕される事態に至り、これが彼らの実質的な力を大きく削ぐこととなりました。

現在の状況

近年、センデロ・ルミノソは活動を縮小し、残党は今もなお存続していますが、その規模は大幅に減少しています。ホセ・ビクター・パロミノが率いる残党勢力は、東部の熱帯雨林地域に限られた活動を行っているだけで、2018年には内部分裂も見られ、事実上の活動停止状態にあります。

2021年9月には、アビマエル・グスマンが死亡し、組織のさらなる弱体化の一因となっています。今後、センデロ・ルミノソは、ペルーの政治状況や治安にどのような影響を及ぼしていくのか、新たな関心が寄せられています。

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