プラット・アンド・ホイットニー JT12

プラット & ホイットニー JT12 概要

プラット & ホイットニー JT12は、小型ターボジェットエンジンであり、アメリカ軍用識別符号としてはJ60と呼ばれています。また、関連するターボシャフトエンジンとしてプラット・アンド・ホイットニー T73（JFTD12）も存在します。このエンジンは1950年代の航空技術の進歩の一環として開発され、さまざまな航空機に搭載される実績があります。

設計と開発

JT12の開発が始まったのは1957年7月、モントリオールにあるユナイテッドエアクラフト・オブ・カナダです。これは現在のプラット・アンド・ホイットニー・カナダにあたりますが、ここで概念設計が進められました。設計の詳細は1958年5月にイーストハートフォールドの本社に移り、初の試作機であるYJ60-P-1の試験が実施されました。

1959年初頭には飛行試験が完了し、同年7月には新型のJT12A-5エンジンが初めての投入が行われました。この時、推力は12.9 kN（およそ2,900 lb st）を誇り、カナディア CL-41という練習機に2基搭載されました。その後の改良型であるJT12A-3では、推力が14.69 kN（3,300 lb st）に向上し、ロッキードのXV-4AハミングバードVTOL研究機での試験が行われました。

さらに進化を遂げたJT12A-21は、アフターバーナーを装備し、最大出力は17.91 kN（4,025 lb st）に達しました。これにより、JT12はその柔軟な用途と高い性能で評価されています。

派生型

主な派生種類

• - YJ60-P-1: 試作機
• - J60-P-3
• - J60-P-4
• - J60-P-5
• - J60-P-6
• - T73: ターボシャフト版
• - JT12A-3LH
• - JT12A-5: 離陸時推力2,900 lbfから3,001 lbf（13.35 kN）
• - JT12A-6: JT12A-5と類似
• - JT12A-7: 最大推力3,300 lbf（15 kN）
• - JT12A-21: アフターバーナー装備、推力4,024 lbf（17.9 kN）
• - FT12: 船舶用ターボシャフト版
• - JFTD12: プラット・アンド・ホイットニーT73の社内識別符号

搭載機

JT12エンジンはさまざまな航空機に搭載されてきました。民間機としてはロッキードのジェットスターやノースアメリカンのセイバーライナーがあり、軍用機としてはT-2Bバックアイ、T-39セイバーライナー、シコルスキーXH-59、XV-4ハミングバードなどが採用しました。

技術仕様

一般的特性

• - エンジン形式: ターボジェット
• - 全長: 1930 mm（75.98インチ）
• - 直径: 556 mm（21.89インチ）
• - 乾燥重量: 212 kg（467.38 lbs）

構成要素

• - 圧縮機: 9段軸流式圧縮機
• - タービン: 2段

性能

• - 最大推力: 14.6 kN（3,282.21 lbf）
• - タービン入口温度: 872 °C（1,601.6 °F）

関連項目

• - プラット・アンド・ホイットニー T73
• - フェアチャイルド J83
• - ゼネラル・エレクトリック J85
• - 航空用エンジンの一覧

このように、プラット & ホイットニー JT12は、その特性とパフォーマンスにより、航空技術の中で重要な役割を果たしてきました。

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