プリテンダーズ ふたりの映画ができるまで

映画『プリテンダーズ ふたりの映画ができるまで』：10年越しの恋と複雑な人間模様

ジェームズ・フランコ監督、ジャック・キルマー主演による2018年公開のアメリカ映画『プリテンダーズ ふたりの映画ができるまで』（原題:The Pretenders）は、映画監督を夢見る青年の複雑な恋愛と、周囲の人々との人間関係を描いたドラマです。

映画監督を志す青年テリーは、偶然出会った女優キャサリンのミステリアスな魅力に惹かれ、深く恋に落ちます。この恋は10年以上も続くことになるのですが、その過程で親友のフィルをも巻き込み、複雑な三角関係が生まれていきます。テリーの揺れる気持ち、キャサリンの謎めいた行動、そしてフィルの友情、それぞれの葛藤が繊細に描かれ、観る者を惹きつけます。

キャストには、ジャック・キルマー、ジェーン・レヴィ、シャメイク・ムーア、ジュノー・テンプルなど、実力派俳優が名を連ねています。ジェームズ・フランコ自身も本作に出演しており、多角的な視点から物語を彩っています。その他にも、ブライアン・コックス、デニス・クエイドといったベテラン俳優陣の演技にも注目です。

本作は、2016年11月にニューヨーク州で主要撮影が行われました。ジャック・キルマー、ジェーン・レヴィ、シャメイク・ムーア、ジュノー・テンプル、ブライアン・コックスといった主要キャストの出演が発表されたことで、大きな話題を集めました。2018年11月にはトリノ映画祭でプレミア上映され、その後、クレオパトラ・エンターテインメントが北米配給権を獲得。2019年にはオフィシャル・トレイラーも公開され、世界中の映画ファンからの期待が高まりました。

しかしながら、本作は批評家からは酷評されています。Rotten Tomatoesでは10件のレビューで支持率20%、平均点4.3点という厳しい結果に。Metacriticでも加重平均値14/100と、低評価となっています。『ハリウッド・レポーター』のジョーダン・ミンツァーは、「演技はぎこちなく、脚本は粗雑」と痛烈に批判しており、その評価の低さが伺えます。

一方で、ゴダール、トリュフォー、ベルトルッチといった巨匠へのオマージュが散りばめられている点も指摘されており、映画史への深い理解と、監督自身の映画に対する強い想いが感じられます。批評家の評価は低いものの、映画愛に溢れた、個性的な作品であることは間違いありません。

10年以上にわたる複雑な恋愛、友情、そして映画制作という夢。様々な要素が絡み合い、観る者の心を揺さぶる『プリテンダーズ ふたりの映画ができるまで』。一見の価値はあると言えるでしょう。 本作は、日本の映画祭「未体験ゾーンの映画たち2020」でも上映され、『ふたりの映画ができるまで』という邦題で公開されました。この邦題からも、作品が持つ人間ドラマの深さがうかがえます。

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