プリンスグループ

プリンス・グループ概説

プリンス・グループ（英語: Prince Group）は、カンボジアに位置し、幅広い事業を展開する大手企業です。設立者である陳志（Vincent Chen）は中国福建省出身で、2011年にカンボジアのプノンペンで不動産事業を開始しました。この企業は、カンボジアにおける最大のコングロマリットと言われ、主な事業分野には不動産、金融サービス、航空会社などが含まれています。

企業の成長と拡張

プリンス・グループは、中国の「一帯一路」構想に呼応し、カンボジア市場で急速に成長を遂げました。不動産開発からスタートし、現在では銀行、カジノ、観光業、飲食業、映画製作など多岐にわたる分野に進出しています。特に、シアヌークビルにおける大規模なカジノ投資が注目されており、中国のギャンブル市場をターゲットにした事業運営が行われています。

グループの主要な子会社には、太子地産集団、太子銀行、太子寰宇地産集団があります。特に、太子銀行はカンボジアの金融システムにおいて重要な位置を占めており、これに伴う影響も大きいです。企業全体の資産は、31カ国にわたって15億ドル以上に達しています。

問題の発生と法的問題

しかし、プリンス・グループは近年、国際的な問題に直面しています。2025年には、米国財務省によって超国家的犯罪組織として指定され、マネーロンダリングや通信詐欺など、多数の違法行為に関与しているとの疑いが持たれました。この際、グループの名のもとで運営されていた企業が数多く閉鎖に追い込まれる事態に至りました。

特に、シアヌークビルに設立されたカジノや詐欺に関わる施設は、強制労働や人身売買が行われていたとされています。米国の告発によれば、プリンス・グループは少なくとも10カ所のオンライン詐欺施設を運営していたという情報があります。これらの施設は、工業団地や不動産としての表の顔の下で、違法な活動を行っていました。

陳志の役割と国際的な影響

陳志自身も、カンボジアの政界と密接な関係を築いており、複数の高位政治家に「顧問」として名を連ねています。彼は、企業の社会的責任モデル賞を受賞するなど、表向きのイメージ向上に努めていた一方で、その活動は犯罪とも密接に関連しているとされています。特に、シアヌークビルにおける投資は、中国本土のギャンブル市場を意識したものであり、地域内の経済にも大きな影響を与えています。

結論

プリンス・グループは、不動産や金融分野での多彩な活動を行いながらも、その裏で数々の違法行為に関与している可能性があるとされる複雑な企業です。カンボジア国内外での法的、倫理的な問題が取り沙汰される中、今後の展開に注目が集まっています。

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