プリンス・オブ・ソンクラー大学

プリンセス・オブ・ソンクラー大学について

プリンス・オブ・ソンクラー大学（PSU）は1967年に設立されたタイ王国南部における最古の国立大学です。タイ国内9つの研究大学に指定されており、現在は5つのキャンパスを持ち、39の学部やカレッジ、研究所、4つの病院、40以上の研究センターを有しています。ハートヤイにあるメインキャンパスを中心に、地域社会に貢献する学術活動と社会サービスを展開しています。

大学の設立の背景

1962年に設立された南部開発委員会により、タイ南部に大学が設立されることが決まりました。最初の計画はパッターニー県に沿海部に位置する大学を設置することでしたが、政権交代により1963年度の予算が得られず中止となりました。その後、委員会が設置され、政府はパッターニーのムアンパッターニーをメインキャンパスに申請しましたが、政治的な要因で多くの時間が経過しました。

結局、1966年には工学部と理学部の設置が始まり、医療科学大学がハートヤイで設立されました。1974年に医学部が開設され、63年に工学部が竣工しましたが、パッターニーの地盤が軟弱であったため、必要な実験機器を設置することが困難でした。この問題を解決するために、大学はハートヤイに移転することが急遽決定されました。1967年に国王の命名により「プリンス・オブ・ソンクラー大学」という名が正式に与えられ、その日が「ソンクラーナカリン記念日」として祝われています。

キャンパスと学部の概要

PSUはハートヤイキャンパスを中心にいくつかのキャンパスを展開しています。ハートヤイキャンパスは、南部最大の都市に位置し、交通の便も充実してます。大学周辺は経済活動が活発で、多くの日本企業も進出しています。特に農学部が評価されており、タイ国内で最も優れたアグリカルチャー教育を提供しています。特に、在校生の3分の2がこのキャンパスに在籍しています。

パッターニーキャンパスは、PSUの最南に位置し、イスラム教学部の設置が特徴的です。この学部ではアラビア語の習得やイスラム教の教義について学ぶことができます。また、その地域の特色を生かした教育が行われており、学生活動も充実しています。

プーケットキャンパスは、観光業が盛んなプーケットにあり、観光や国際問題に関連した専門課程が設置されており、多数の留学生が学んでいます。スラタニキャンパスは北部に位置し、教養学部に焦点を当てています。トランキャンパスは観光都市にあり、経営や建築の学部があります。

社会貢献と挑戦を続ける大学

PSUは地域社会とのつながりを大切にしながら教育と研究を行い、特に国際的な取り組みを強化しています。毎年多くの学生がこの地で学び、さまざまな分野で成長しています。しかし、周辺地域では安全保障上の課題も存在します。特にパッターニーではテロ事件が発生しており、学生たちにも影響を及ぼしていますが、大学内ではこれまで一度も事件が起きていないことが幸いです。

このようにプリンス・オブ・ソンクラー大学は、教育機関としての役割を果たしつつ、地域社会との連携を図り、持続可能な未来を見据えた教育を提供し続けています。

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