プリンセスクラウン

『プリンセスクラウン』（Princess Crown、略称プリクラ）は、1997年にセガサターンで発売されたアクションRPGです。セガとアトラスの共同開発によって生まれました。その美しいグラフィックと奥深いゲームシステムは、今もなお多くのファンを魅了し続けています。2005年にはPSP版が発売、2019年にはPS4に移植版が配信されました。

ゲーム概要

本作は、セガサターン中期を代表するアクションRPGとして知られています。最大の特徴は、モーフィングシステムやスプライト機能を駆使した、キャラクターの豊かなアニメーションです。まるで生きているかのような滑らかな動きは、当時のゲーム業界に大きな衝撃を与えました。

戦闘は、移動画面からシームレスに移行する方式を採用しています。対戦格闘ゲームのような複雑な操作は不要で、誰でも気軽に楽しめるのが魅力です。物語が進むにつれて、お供キャラクターが戦闘をサポートしてくれるようになります。

物語は、お祖母さんが孫娘に語り聞かせる童話という形式で進行します。プレイヤーは、主人公のグラドリエルをはじめとする4人のキャラクターの物語を体験できます。

登場人物

グラドリエルとその仲間たち

グラドリエル＝ド＝ヴァレンディア: 本作の主人公。ヴァレンディアの女王。13歳にして王位を継承した、勇敢で優しい少女です。国民のために自ら行動することを望み、妖精アーリアとの出会いをきっかけに旅に出ます。
アーリア: グラドリエルの旅のきっかけを作った妖精。事件解決後もグラドリエルと行動を共にし、様々な形で彼女をサポートします。「王家の剣」を運んでいるのも彼女のようです。
エドワード＝グロースター: ドラゴンスレイヤーと呼ばれる16歳の少年。王家に仕える騎士でありながら、魔王の配下になったとされる魔人ゴルゴダの息子。グラドリエルとは不思議な縁で結ばれています。小さなドラゴンを連れています。
イグニス: エドワードの従者。言葉を発することはできませんが、高い知能を持っています。
プロセルピナ: 幼い魔女。いたずら好きで、グラドリエルをライバル視しています。彼女とグラドリエルの戦いは、後世に童話として語り継がれるほど永きに渡って続いたとされています。
ガブリエル: ゴブリン。プロセルピナのサポート役。
ポートガス＝クリスフォード: 隻眼・片足の海賊。恋人の仇を追っています。
ドレイク: ポートガスが飼っているオウム。彼からの信頼が厚いです。

その他の人物

エルファーラン: 先代の女王。グラドリエルの母親。25年前に王城を襲ったデーモンを退けた英雄です。
ジェストナイ: 女王に仕える魔導師。グラドリエルの内政を補佐します。
クエイン: ヴァレンディアのカード騎士団長。
エリエル: グラドリエルの姉。双子の姉妹です。読書家で、妹シドラエルの助けとなる知識を得ようとしています。
シドラエル: グラドリエルの姉。病弱な双子の妹。
タバサ: プロセルピナにカエルに変えられた少女。
ニルス: プロセルピナにアヒルに変えられた少年。
ラルヴァの書: 邪悪な意思を持つ書物。人を操ります。
リヨン: 若き魔導師。ラルヴァに洗脳されます。
ジャディス: グラドリエルの祖父。ヴァルガ王国の武王。
ゴルゴダ: エドワードの父。かつて魔人と呼ばれていました。
ビッグフック: 巨大なかぎ爪を装着した海賊。
ヴォーグロド: 魔王。ラルヴァの力で醜い姿に変えられました。
ネクロ・サマンサ: リヨンが召喚した魔女。
悪のエリエル: ラルヴァに操られたエリエル。
悪のグラドリエル: 憎しみと怒りで魔の者となったグラドリエル。
ラルヴァ: 強大な力を持つ闇の神。
ハインデル: 物知りなドラゴン。情報と引き換えに魔法石を要求してきます。

開発の経緯

本作は、神谷盛治氏がカプコン退社後に初めて企画したソフトです。当初は育成シミュレーションゲームとして企画されましたが、セガへのプレゼンテーションを経てRPGへとシフトしました。

開発中に会社が倒産する危機に見舞われましたが、アトラスの協力によって開発が継続され、発売に至りました。

タイトルが「プリクラ」と略されることについては、開発陣がストーリーとの関連性を主張し、会社側の変更要求を退けたというエピソードがあります。

制作スタッフ

神谷盛治

関連作品

プリクラ大作戦
* オーディンスフィア - 当初は『プリンセスクラウン2』として企画されました。

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