プリーズ、ジーヴス

プリーズ、ジーヴス

『プリーズ、ジーヴス』は、勝田文によって漫画化された作品で、P・G・ウッドハウスのユーモア小説「ジーヴス」シリーズを原作としています。物語の舞台はエドワード7世統治下のイギリス。伯爵を叔父に持つ上流階級の青年、バートラム・ウィルバーフォース・ウースター、通称バーティーと、彼の天才的な執事であるジーヴスを中心に物語が展開されます。

あらすじ

物語は、のんきでお人好しのバーティーが巻き込まれる様々なトラブルを、ジーヴスが並外れた知性と機転で解決していくという、一話完結型のコメディです。バーティーは名門ドローンズ・クラブに所属し、普段はロンドンのフラットでジーヴスと暮らしています。彼はジーヴスに生活の多くを依存しており、「ジーヴスがいないと生きていけない」とさえ自覚しています。

主な登場人物

バートラム・ウィルバーフォース・ウースター (バーティー)

本作の主人公。伯爵を叔父に持つ、いずれ爵位を継ぐ予定の青年。イートン校とオックスフォード大学を卒業。楽天的な性格ですが、頼まれると断れない一面も。ファッションセンスは独特で、ジーヴスの手を煩わせています。

ジーヴス

バーティーに仕える、完璧な執事。頭脳明晰で博識。主人のバーティーを内心では見下しているような発言もしますが、彼の善良さは認めています。様々な難題を解決する一方で、賭けを楽しんだり、ダンスを踊ったりする意外な一面も。

リチャード・リトル（ビンゴ）

バーティーの幼馴染。恋多き男で、恋をするたびにバーティーに相談を持ちかけます。多くの場合、失恋に終わりますが、最終的にはロージーと結婚します。

ロージー・M・バンクス

売れっ子の小説家。身分違いの恋などをテーマにした作品を執筆。ビンゴと出会い、短い交際期間を経て結婚します。

モティマー・リトル（ビトルシャム卿）

ビンゴの伯父で後見人。薬の販売で財を成し、後に貴族に列せられます。ロージーの小説のファンであり、作風に影響を受け、コックのジェーンと結婚します。

書誌情報

勝田文（原作:P・G・ウッドハウス、訳：森村たまき） 『プリーズ、ジーヴス』 白泉社〈花とゆめコミックススペシャル〉 既刊3巻
2009年03月5日発売、ISBN 978-4-592-18693-9、取材旅行記「BUN IN LONDON」（『メロディ』2008年8月号）収録
2010年12月3日発売、ISBN 978-4-592-18694-6、小説「フレディーにキスして」（『メロディ』2009年12月号）収録
2012年10月5日発売、ISBN 978-4-592-19753-9
勝田文（原作:P・G・ウッドハウス、訳：森村たまき） 『ジーヴス英国紳士録 〜プリーズ、ジーヴス シリーズ〜』 白泉社〈花とゆめコミックススペシャル〉
2013年11月5日発売、ISBN 978-4-592-19754-6
実質的『プリーズ、ジーヴス』の続刊であるが、表題を替えて出版された。1巻のナンバリングは無い。
勝田文（原作:P・G・ウッドハウス、訳：森村たまき） 『ジーヴス狂騒紳士録 〜プリーズ、ジーヴス シリーズ〜』 白泉社〈花とゆめコミックススペシャル〉
2014年12月10日発売、ISBN 978-4-592-19755-3
実質的『プリーズ、ジーヴス』の続刊であるが、表題を替えて出版された。1巻のナンバリングは無い。

関連情報

作中には、当時の上流階級の生活様式や風俗が細やかに描かれています。また、家事使用人の役割や階級制度なども垣間見ることができ、作品をより深く理解するための手がかりとなります。

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