P・G・ウッドハウス

P.G.ウッドハウス：ユーモア小説の巨匠

ペルハム・グレンヴィル・ウッドハウス（Pelham Grenville Wodehouse, 1881年10月15日 - 1975年2月14日）は、イギリスの小説家であり、ユーモア小説の大家として広く知られています。彼の作品は、独特のキャラクター設定と軽妙なユーモアに満ち溢れており、世界中の読者を魅了し続けています。

生涯

1881年、ウッドハウスはロンドン近郊のサリー州ギルフォードで生まれました。父親が香港の役人であったため、幼少期は香港で過ごしました。その後、イギリスに戻り、親戚の家で生活を送ります。幼少期の厳しい生活環境が、後年の作品における「恐ろしいおば」というキャラクター像に影響を与えたと言われています。

ダリッジ・カレッジで教育を受けた後、経済的な理由からオックスフォード大学への進学を断念し、1901年に香港上海銀行ロンドン支店に就職しました。しかし、小説家への夢を諦めきれず、1902年に小説『賞金ハンター』を発表。翌年には銀行を退職し、本格的に小説家としての活動を開始しました。

その後、数々のユーモア小説を発表し、作家としての地位を確立。1909年にはアメリカへ拠点を移し、生涯のほとんどをニューヨークで過ごしました。1955年にはアメリカに帰化しています。

第二次世界大戦中には、旅行先のフランスでナチス・ドイツ軍に捕らえられ、プロパガンダ放送に出演させられるという不運に見舞われました。このことが原因で、戦後にはイギリス国内で激しい非難を浴びるものの、後に誤解が解け名誉を回復しています。

1975年1月、エリザベス2世女王からナイトの称号を授与されましたが、その翌月に93歳で亡くなりました。

主要作品

ウッドハウスの作品は多岐にわたりますが、特に有名なのは以下のシリーズです。

ジーヴスシリーズ: 機知に富んだ従者ジーヴスと、彼の主人である優柔不断な青年貴族バーティー・ウースターの活躍を描いたシリーズ。ユーモア溢れる会話と、予測不能なストーリー展開が魅力です。

比類なきジーヴス
よしきた、ジーヴス
それゆけ、ジーヴス
ウースター家の掟
でかした、ジーヴス！
サンキュー、ジーヴス
ジーヴスと朝のよろこび
ジーヴスと恋の季節
ジーヴスと封建精神
ジーヴスの帰還
がんばれ、ジーヴス
お呼びだ、ジーヴス
感謝だ、ジーヴス
ジーヴスとねこさらい

ブランディングズ城シリーズ: ブランディングズ城に住むエムズワース卿と、彼の愛豚エンプレス・オブ・ブランディングズを巡る騒動を描いたシリーズ。個性的なキャラクターたちが織りなす、ドタバタコメディが楽しめます。

ブランディングズ城の夏の稲妻
エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏
ブランディングズ城は荒れ模様

日本での展開

ウッドハウスの作品は、日本でも長年にわたり翻訳され、多くの読者に愛されています。森村たまき、岩永正勝、小山太一など、著名な翻訳家による翻訳が出版されており、バラエティ豊かなウッドハウスの世界を楽しむことができます。

また、テレビドラマ「ジーヴス」や、勝田文によるコミカライズ作品など、様々なメディアでウッドハウスの作品が展開されています。

関連項目

天才執事ジーヴス (テレビドラマ)
* プリーズ、ジーヴス (漫画)

ウッドハウスの作品は、時代を超えて愛されるユーモア小説の傑作です。ぜひ一度、その世界に触れてみてください。

もう一度検索