プレイン・ホワイト・ティーズ

プレイン・ホワイト・ティーズ (Plain White T's)

プレイン・ホワイト・ティーズは、アメリカ合衆国イリノイ州出身の5人組ポップ・ロックバンドです。一見若手バンドに見えますが、実は結成から15年以上というキャリアを持つベテランで、その親しみやすいメロディと共感を呼ぶ歌詞で、若い世代を中心に幅広い人気を集めています。

彼らの名を一躍有名にしたのは、2007年に発表された代表曲「ヘイ・ゼア・デリラ」（Hey There Delilah）です。この曲は全米シングルチャートで1位を獲得し、バンドは瞬く間にスターダムへと駆け上がりました。また、「ヘイ・ゼア・デリラ」は、2008年の第50回グラミー賞で「最優秀楽曲賞」と「最優秀ポップ・ディオ／グループ」の2部門にノミネートされるという快挙も達成しています。

メンバー

現在のメンバー

トム・ヒッゲンソン (Tom Higgenson) - ヴォーカル・ギター
デイヴ・ティリオ (Dave Tirio) - ギター
ティム・ロペス (Tim Lopez) - ギター
マイク・レトンド (Mike Retondo) - ベース
デマー・ハミルトン (De'Mar Hamilton) - ドラム

旧メンバー

スティーヴ・マスト (Steve Mast) - ギター (2005年脱退)
* ケン・フレッチャー (Ken Fletcher) - ベース (2003年脱退)

略歴

結成からアンダーグラウンド時代

1997年、トム・ヒッゲンソンが高校時代の友人であったデイヴ・ティリオ、ケン・フレッチャーと共にバンドを結成。数年後にはスティーヴ・マストが加入しました。バンド名は、「純白のTシャツのような、クールなバンドになりたい」という思いから名付けられました。

結成当初のメンバー構成は、トム(ヴォーカル)、スティーヴ・マスト(ギター)、ケン・フレッチャー(ベース)、デイヴ(ドラム)と、現在とは大きく異なっていました。その後、イリノイ州でのライブ活動を精力的に行い、着実に知名度を上げていきます。

しかし、1999年にトム・ヒッゲンソンが交通事故に遭い、腎臓と肺が破裂する重傷を負ってしまいます。彼の回復後、バンドは活動を再開。

2001年には、初の自主制作アルバム「Come on Over」を発表しました。

2002年には、2枚目の自主制作アルバム「Stop」を発表。直後、デイヴ・ティリオがドラムからギターに転向。これを機に、メンバーチェンジが行われました。スティーヴ・マストの脱退後、ティム・ロペスが加入。ケン・フレッチャーの脱退後には、マイク・レトンドとデマー・ハミルトンが加入しています。

その後、アメリカの大手インディーズレーベル、フィアレス・レコードと契約し、2004年5月にデビューアルバムの制作を開始。

2005年1月25日、1stフルアルバム「All That We Needed」を発表しました。

「Hey There Delilah」の世界的大ヒット (2006年-2007年)

2006年、モーション・シティ・サウンドトラックなど人気バンドとのツアーを経て、大手メジャーレーベルのハリウッド・レコードへ移籍。同年9月12日には、2ndアルバム「Every Second Counts」を発表し、全米アルバムチャートで最高10位を記録しました。その後、同アルバムからの1stシングル「Hate (I Really Don't Like You)」を発表し、全米シングルチャートで最高68位を記録しました。

2007年には、同アルバムから2ndシングル「Hey There Delilah」を発表。全米シングルチャートで2週連続1位を獲得する大ヒットとなりました。ドイツやカナダなど、各国のシングルチャートでも1位を獲得し、同年7月にはアメリカの大手ラジオ局で「最も放送された楽曲」にも選ばれました。

「Hey There Delilah」の大成功を受け、収録された2ndアルバム「Every Second Counts」の人気が再燃し、結果的に全米で50万枚以上を売り上げるヒットを記録し、ゴールド・ディスクに認定されました。

3rdアルバム「Big Bad World」 (2008年-2009年)

2008年2月10日に開催された第50回グラミー賞で、「Hey There Delilah」が「ベスト・ポップ・パフォーマンス・グループ」にノミネートされました。

2008年9月23日には、3rdアルバム「Big Bad World」を発表し、全米アルバムチャートで33位を記録。このアルバムからは、「1, 2, 3, 4」と「Natural Disaster」の2曲がヒットしました。

4thアルバム「The Wonders Of The Younger」 (2010年以降)

2010年、映画『アリス・イン・ワンダーランド』のサウンドトラック「オールモスト・アリス」に「Welcome to Mystery」を提供。同年12月7日には、ニューアルバム「The Wonders Of The Younger」をリリースしました。

音楽性

初期のアルバムでは、エモやポップ・パンクの要素を取り入れた楽曲が中心でしたが、3rdアルバム以降は、よりポップで落ち着いた楽曲が増えました。「1, 2, 3, 4」に代表されるように、ポップ・ロックやフォーク・ロックの影響を受けたサウンドが特徴的です。

トム・ヒッゲンソンの交通事故

1999年に交通事故で重傷を負ったトム・ヒッゲンソンは、この経験がバンドの成長に大きく繋がったと語っています。「この事故で死ななかったことが、逆に僕に生の強さと尊さを与え、プレイン・ホワイト・ティーズの音楽性を内面から高めた」と述べています。

外国公演

2008年4月には、日本のPUNKSPRING 2008に出演しました。

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