プレーンスケープ トーメント

プレーンスケープ トーメント（Planescape: Torment）

『プレーンスケープ トーメント』は、Black Isle Studiosが開発し、Interplay Entertainmentから1999年にリリースされた、アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ（AD&D）をベースにしたコンピュータRPG（CRPG）です。キャンペーン・セッティングには「プレーンスケープ」を採用し、ゲームエンジンには『バルダーズ・ゲート』でも使用されたインフィニティ・エンジンの改良版を採用しています。

ゲームの概要

本作は、ストーリー主導型のゲームであり、当時の他のCRPGと比較して戦闘の比重が小さいのが特徴です。主人公であるThe Nameless One（名も無き者）は、殺されても何度でも蘇る不死の存在ですが、記憶を失っており、自分の名前さえ思い出せません。プレイヤーは、記憶を取り戻すために、扉の町シギルやその他のAD&Dの次元界を探索します。

ゲームは等角投影法で描写された2次元の世界で表現され、BioWareのインフィニティ・エンジンをベースにしています。探索画面では、地面をクリックして移動したり、オブジェクトをクリックして調べたりすることで、キャラクターを操作します。アイテムや呪文は、ホットキー、クイック・スロット、またはラジアル・メニューから使用できます。

ゲームシステム

ゲームのルールは、AD&D第2版をベースにしていますが、主人公は不死であるため、通常のAD&Dのルールを超越した能力を持っています。ゲーム開始時に行うキャラクター作成では、能力値（ストレングス、インテリジェンス、カリスマなど）にポイントを割り振ります。主人公のキャラクタークラスはファイターですが、対応する教師を見つけることで、シーフやメイジになったり、ファイターに戻ったりすることができます。主人公は鎧を装備できませんが、代わりに魔法のタトゥーを「装備」することで能力を強化できます。主人公が死んでも、たいていの場合はペナルティがなく、別の場所で復活します。

主人公以外にも、ゲームの中で出会ったキャラクターがパーティに加わりますが、主人公に同行できるのは一度に5名までです。仲間になるキャラクターは、他のNPCとの会話中に発言することがあります。また、ゲーム中には、パーティ・メンバー間でランダムに会話が発生する場合があります。

『トーメント』は、戦闘よりも会話によるクエストの解決を重視しています。ゲームの戦闘エンカウンターの多くは、会話によって解決したり、ステルスによって回避したりできます。主人公はジャーナルを携帯しており、プレイヤーはゲームのさまざまなクエストやサブプロットの経過を追うことができます。

アライメント

アライメントは、キャラクターの道徳的および倫理的な観点を「善と悪」および「秩序と混沌」の独立した軸に基づいて決定するものです。本来のAD&Dではアライメントは静的な属性ですが、『トーメント』の主人公は「トゥルー・ニュートラル」のキャラクターとしてゲームを始め、ゲームを進めるうちに行動に応じてこの属性が徐々に変化します。NPCの反応は主人公のアライメントに応じて変化します。

評価と影響

ゲームは商業的には成功しませんでしたが、多くの批評家から称賛され、カルト・クラシックとなりました。没入感のある大量のテキスト、「プレーンスケープ」をベースにした暗く謎めいた設定、主人公のユニークな人格などは、従来のCRPGの多くの特徴と一線を画すものでした。多くのゲームライターが1999年最高のCRPGと考え、リリース以降長きにわたって注目され続けています。

また、本作発売から21年後の2020年には日本語化MODが配布されています。

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