プロギアの嵐

『プロギアの嵐』は、2001年にケイブが開発し、カプコンから発売されたアーケードゲームです。ケイブ初の横スクロールシューティングゲームであり、弾幕系シューティングとしても知られています。海外版のタイトルはProgear。

ゲームシステム

8方向レバーと2つのボタン（ショット、ボム）で自機を操作します。ショットボタンを連打すると高速移動モード（ファイターモード）になり、ショットボタンを押し続けると全方位の敵を自動的に狙う攻撃モード（ガンナーモード）になります。ガンナーモード時は移動速度が遅くなります。全5ステージで構成されており、特定の条件を満たすと2周目に突入します。

ステージの背景には濃色が多用されており、水色の敵弾とのコントラストが強くなっています。画面外周に表示されるスコアなどの情報は、自機が近づくとフレームアウトし、遠ざかるとフレームインする演出も特徴的です。

自機

ゲーム開始時に、2種類の戦闘機と3種類のガンフライヤーからそれぞれ1種類を選択します。機体選択時には、特定のボタン操作でフォーメーションを変更することも可能です。

戦闘機

TYPE-A ギャンブラー（搭乗者：リング・リード）：ワイドショットが特徴。移動速度は遅いが、広範囲を攻撃できます。
TYPE-B ミリタント（搭乗者：ボルト・ボイヤー）：集中型ショットが特徴。攻撃範囲は狭いが、移動速度が速いです。

ガンフライヤー

α式（搭乗者：チェーン・チェロット）：エクスプロージョンミサイルが強力。ガンナーモード時の旋回速度は遅く、自機の速度も遅くなります。
β式（搭乗者：ネイル・ネラ・ネロウズ）：キャノンボールによる広範囲攻撃が可能。ガンナーモード時の旋回速度は速く、自機の速度も速くなります。
γ式（搭乗者：リベット・リベラ）：ホーミングミサイルで敵を自動追尾。ガンナーモード時の旋回速度は標準で、自機の速度に影響はありません。

ガンナーの性能は、プレイ内容によって変化する「好感度」パラメータによって変化します。また、自機とガンナーの組み合わせによって、それぞれの性能にボーナスが付くこともあります。

ジュエリング

敵を倒した際の爆風に巻き込まれた敵弾は、指輪や宝石（得点アイテム）に変化します。この現象は「ジュエリング」と呼ばれ、本作の最も特徴的なシステムです。ジュエリングは、ファイターモードとガンナーモードで効果が異なります。

ファイターモード：敵弾は指輪に変化し、巻き込まれた敵弾の数に応じて価値が上がります（アメジスト→ルビー→エメラルド→ダイヤモンド）。
ガンナーモード：敵弾は宝石に変化し、ファイターモードで記録された指輪と同じ価値の宝石が出現します。宝石は指輪よりも高得点です。

ガンナーモードでジュエリングを起こすと、敵弾が宝石に変わるエフェクトでもジュエリングが発生します。画面中に散らばった宝石は、モードを切り替えることで自機に引き寄せられます。ジュエルカウンターはショットを当てるたびに上昇し、高得点に繋がります。

2周目

5面クリア時に特定の条件を満たしていると、2周目に突入します。2周目では、ジュエルカウンターが2倍になる、宝石の落下速度が速くなる、敵の攻撃パターンが変化するなど、難易度が大幅に上昇します。シューティングゲーム愛好家の間では、2周目の難易度は屈指と言われています。

ストーリー

風力エネルギー機関「プロギア」により発展した世界を舞台に、不老不死の技術を手に入れた老人たちが「元老院」を名乗り、理想社会建設のために粛清を開始します。残された子供たちは、新兵器「ガンフライヤー」と共に、元老院に立ち向かいます。

登場人物

キャラクターの名前には、工具の名前が使われています。少年空士側が小さなパーツ、元老院側が解体用の工具と対比されています。

少年空士

元老院に反旗を翻した少年少女たち。

リング=リード
ボルト=ボイヤー
チェーン=チェロット
ネイル=ネラ・ネロウズ
リベット=リベラ

元老院

不老不死の身体を手に入れた財界の有力者たち。

バロッサム=ペンチ
ゲーブリエル=ハンマー
ジムチャック=スパナ
オルソロ＝ニッパー
* レオナルド＝ドリル

開発

本作はスチームパンクの設定を持っていますが、これは第二次世界大戦を意識し、アジア圏での受けを良くするためでした。開発当初は縦画面スクロールシューティングとして構想されていました。ケイブ作品としては初の横スクロールシューティングであり、商業作品としては世界初の横スクロール弾幕シューティングゲームです。

移植版

Capcom Home Arcade、カプコンアーケードスタジアムなどに移植されています。

プロギアの嵐